エレガントな隔世的覚醒
孫の美空と結陽が通うバレエ団の発表会に行ってきました。新宿文化センター大ホール、まさしく大舞台です。美空は結構複雑な振り付けを、緊張いっぱいでこなし、妹の結陽は緊張感ゼロでニコニコと飛び跳ねている。それぞれ年相応の精一杯な姿に胸が熱くなりました。チビはチビなりに、日々頑張っているんだよなあ。

着替えて出てきた二人は、大役をこなし満足げ。
ロビーが混雑するため、ちびっ子たちは道路に出ての化粧落とし。
お祭りみたいで楽しいひと時だったなあ。

これはどのように表現しても、ただの贔屓目にしかご理解いただけないと存じつつ、美空には天性の素質がある、と思わざるを得ない。スカイフック、上半身がスッと上に伸びてブレることがない。それと手の表情が素晴らしいのです。女房曰く「あれは私の血筋だ」とのこと。おばあちゃんが日本舞踊を舞うと、手の動きが飛び抜けてエレガントだったそうで、その才能は私から娘の詩織に受け継がれ、そして見事に美空へと受け継がれているというのです。

まあそんな気もするけど、「ところで、あなたの動きがエレガントだったことをぼくは一度も見たことがないんですが」と言いそうになり、グッと堪えてやり過ごしました。暑いしね、せっかく浸っている清々しい感動を消さないために、口は慎むべきであろうという制御機能が働きまして。

あ、そうか、隔世遺伝ってやつだ。う〜ん、ぼくのいくつかの才能も尊敬する祖父からの継承だと思っているし、確かにそういうことはある。で、あれば、エレガントさを見事に飛び越された女房の存在は、遺伝的にはそれなりに、作用・反作用とか、支点・力点・作用点しての何らかの意義があるのかもしれませんなあ。


そういえば、女房が発揮する軍師官兵衛的な才覚は、両親を飛び越えた祖母からの伝承のようだし、面白いものですね。だとすれば、ぼくに開花しなかった何らかの才能が、子供たちの人生で花開いているはず。・・・そうか、そうだったのか。夫婦円満、家庭の幸せを築き上げる能力を、隔世遺伝で彼らは見事に実現させている。間違いない。

お盆にご先祖へ手を合わせる意味合いは、たくさんの素晴らしき隔世の覚醒を仕掛けてくれた人たちへの、感謝なんですよねえ。ありがたやありがたや。な〜〜〜む〜〜〜。