二十歳の頃は雪国で暮らしていたので、残雪の山に咲くコブシとサクラが春の花(花木)でした。二十五歳で上京し三十歳で春の花にハナミズキが加わりました。住んでいた船橋漁港のアパートの前に咲いていたのです。四十になってから横浜へ移住し、ミモザ、モモ、ツツジの存在に気づきました。当時もこの手の仕事をしていたのに、身の回りに咲いている花に意識が行っていなかったのでしょう。ですから「気がついた」という感じ。
これは後年「横浜には年々花が増えているぞ。いや待てよ、樹齢を考えれば自分が気づかなかっただけで、ここはもともと花いっぱいの場所だったんだ」と、散歩しながら思いまして、ヒトの感覚(見える・見えない)は自分本位なものだなあと感じた出来事として、その時の風景(吉野家の前のコブシを撮影中)とセットで記憶しています。

















