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ワンちゃんも遊べるデッキ-市丸邸
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ワンちゃんも遊べるデッキ-市丸邸

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5年前のプラン( 市丸邸 1)

うちのお客様には、何年もかけて少しずつ庭を完成形に仕立てていく方が大勢いらっしゃいます。今回ご紹介する市丸さんちもそうで、スタートは今から5年前です。

妻とそのときのことを思い出してみました。最初に店に来られたのはご主人で、「敷地の外からの笹の侵入を防げないか」というご相談でした。隣地が草ぼうぼうの斜面で、そこからはびこってくる笹に悩まされていたのです。「それなら根を遮断するように地中に板を入れれば大丈夫ですよ。とりあえず見に行きます」ということになって後日訪問すると、奥様から笹の件とは全く違うご要望が。それは3階の外にウッドデッキをつけられないか、というものでした。
市丸さんちは3階に玄関があります。つまり建物が傾斜地に建っていて、道路から見ると平屋で地下2階、裏から見ると3階建てになっているのです。しかも1階から下に数メートル階段を下って庭、というか広場があって、その先はさらに急傾斜の雑木林。その3階にウッドデッキとなると、山形県の山寺か清水の舞台のような感じになります。「う~ん、ちょっと無理かな」、当然鉄骨構造になるし、だいいち私は高いところが苦手なので・・・。その後いろいろとお話して3階のウッドデッキはあきらめていただき、2階につくるプランとなりました。2階なら木製で構造的にもしっかりとしたデッキがつくれます。
見晴らしのいいロケーションですから「こりゃあ気持のいい場所になるぞ!」とつくる前からデッキについては大満足でしたが、私は他に気になることがありました。1階からさらに下へ降りる庭スペースです。「何か工夫しない限り、ここまで来て楽しむことはないだろうなあ、もったいないなあ」。そこで、笹を止めつつ、横の斜面を花壇にするようなイメージを提案しました。

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これをもとに検討した結果、デッキについては階段を右外につけて、もっとデッキを広く使うということになりました。空中広々デッキ。ふだん地べたの庭のプランニングがほとんどなので、図面上なのに軽く膝が震えて、やっぱり高いところは苦手なのです。

明日はビフォー・アフター。このプランがスタートで、あちこちを少しずつ施工していって、5年目の姿をご覧いただきます。

5年物のビフォー・アフター( 市丸邸 2)

Before 1

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After 1

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5年物のビフォー・アフターです。ミモザの生長、すごいですよね。ビフォー右側の大木は隣地の宅地開発で伐採されてしまいました。

Before 2

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After 2

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ドドーンと出現したウッドデッキもすごいんですけど、左下のミモザもすごいでしょ!この5年の間に時々手入れをさせてもらっていますが、それでもこれだけ成長するんですね。いいなあこの感じ。毎日観てたら変化に気がつかないのでしょうが、こうして並べると成長がわかって、おもしろいなあビフォー・アフター。

次は下の庭です。

Before 3

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After 3

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Before 4

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After 4

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Before 5

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After 5

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5年前に笹が入り込んできて困っていた隣地も今はコンクリートになってしまいました。どんどん宅地開発されますね。
5年かあ・・・、長いような短いような・・・、5年前は44歳、でも考えたら妻も私も今の方がはるかに元気です。あの頃はなんだか疲れきって、ふたりとも這いつくばるようにして仕事してたなあ。仕事量は今より少なかったけど、当時はあれで精一杯だった。それだけ力がついたってことですねきっと。そう考えるといいですね、年齢が行くほど体力は落ちるけど仕事力は増してくる。この調子で成長して、あのミモザみたいに鮮やかに、満開の花を咲かせたいものです。

3階が玄関( 市丸邸 3)

市丸さんちは3階が玄関です。傾斜地の多い横浜・鎌倉では多い設定で、道路からの印象と裏庭が全然違う。たいがい家の裏は見晴らしがよくて、誰にも気づかれない隠れ家のように、すごい庭が存在しているお宅があちこちにあります。
長いおつきあいの間に少しずつ家の回りをリフォームしてきた市丸さんち、玄関アプローチの改修は昨年行いました。

もとはブロック塀とフェンスだったのをぶち抜いて、玄関の正面から入るようにしました。それまでは右側からで、そこは駐車場の奥だったため、使いづらいのと、家の門構えという印象が弱かったのです。これで「いらっしゃ~い!」という感じの入口になりました。

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表札はおなじみ(もう10年のお付き合いです)、ショービの杉山さんのサイン文字です。相変わらず勢いがあっていい味の文字です。簡単そうに見えますけど、なかなか書けないんですよこういう字。

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ドア横の立水栓もリニューアルしました。こちらも表札同様にすっかりお馴染みになった宝泉のものです。

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玄関脇、家の右側から階段を下りていくと・・・

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この続きはまた明日。

すごい!奥様のイマジネーション( 市丸邸 4)

3階にある玄関脇から階段を下っていくと、2階に取付けたウッドデッッキです。

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反対側からはこうです。

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デッキからの眺めはこうで、

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下の庭を見下ろすとこうです。

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外側から見ると、3階建ての2階部分にデッキをつくって、さらに下がって庭があって、その下はまた下がって雑木林に続いています。空に突き出したウッドデッキって感じになりました。

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施工前にあった手すりを、ごらんの通りで切断撤去して、デッキに出られるようにしてあります。

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こうして完成してみれば「いいねえ、見晴らしがいいデッキで」という感じですけど、まだデッキの提案図さえない、洗濯物を干すだけの狭いバルコニーの状態で、その外(空中)に出て過ごしたいという発想をした奥様のイマジネーションがすごい!と思うんですね。ぼくはそれを形にしただけです。ふつうなかなかそういうふうにイメージできないもんですよ。現状のままで「うちのリビングは見晴らしがいいのよ」で終わるのです。
その奥様のイマジネーションから実現した「空に突き出すウッドデッキ」は、ご家族の最高の場所として大活躍しているそうです。
もう一度言いますけど、目の前の手すりを取っ払って空中に出て過ごす、なんてこと、よくイメージできたものだと(ぼくからのこういう提案は何度かして来ましたけど、それをイメージしていただくまではずいぶんと時間がかかるのが常です)、感心しました。すばらしいことです。

カビの生えないパン( 市丸邸 5)

このデッキをつくったのは、市丸さんとの長いおつきあいの最初ですから、今から5年前になります。それから今日まで、何度かの塗装と、傷んだ部分(手すりの笠木が日に焼けてしなってしまいました)の補修をしました。素材はツガで、レッドシダー同様に屋外でも強くて、木らしい木です。選択肢としてはウリンとか木樹脂もあったんですけど、これで正解で、手入れは必要ですけど、やっぱり木の風合いを楽しめる方がいいなあと思うのです。

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このデッキを楽しい場所にしているアイテムとして、ガーデンシンクとチークファニチャーがあります。

ガーデンシンクは重量が軽めのものにしました。

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椅子・テーブルはお客様が見つけて来たもので、チーク製で大勢ですわれるタイプのもの。これもいい感じに日に焼けて、木の素材感がデッキとマッチしています。

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一年中ウッドデッキを提案してつくり続けていますけど、素材は今回のツガやスギやヒノキがいいと思っています。腐り辛いという意味ではウリンやイペもいいんですけど、どうも風合いが・・・。で、もっと腐り辛い木樹脂(木の粉をプラスチックに混ぜた人口木材)は、ぼくとしてはやはりお薦めできません。リビングの外に日に焼けたプラスチックのデッキが広がっている日常って、あんまりいい感じしませんよね。塗装や補修や、ウッドデッキの手入れをしながらの暮らしの方が、いい感じだと思いませんか。子供はとっても正直で、ツガやレッドシダーでデッキをつくると、あっという間にオモチャだらけにして遊んでくれます。でも木樹脂だと何となく、子供がそこに出ると怒られるような雰囲気があって、いやほんとに。木樹脂を選択するお母さんに、そういうタイプの方が多いということではないと思うので、人口木材の質感が何かしらストレスを生んでいるんじゃないかなあ。何日置いといてもカビが生えないパンを食べて、一年中春みたいに空調がきいた部屋から、手入れしなくても腐らないデッキを眺めながら暮らすって、ぼくはやはり反対です。

デッキ下へ( 市丸邸 6)

空に突き出たウッドデッキから階段を下りていきましょう。
途中で折れる階段の設計が結構根気がいりましたけど、もっと大変だったのは職人さんです。熱心にいい階段をつくってくれました。こういう気力がいる施工の時に職人さんによって大きく差が出るんですよ。うちの皆さんは熱心なので、いつも感謝しています。いくら夢いっぱいの凝った設計しても、その意欲が施工にまで持続しなかったらダメですからね。ときに施工上やっかいな設計をするぼくのプランを、見事にこの世に出現させてくれて、いつもぼくを唸らせてくれます。

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デッキ完成の2年後だったかな、デッキ下も整備しました。くい打ちで階段を設置して、庭の道具を置く場所になりました。

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そこに吊り下げてあった金属パイプの風鈴、これがいい音なんです。フィレンツェの大聖堂にいるような(行ったことないですけど)神聖な気持になる音。撮影当日の春めいた風に揺れて鳴るその音に聞き惚れていたら、反対側から汽笛が聞こえて来ました。何回もこの庭に通っていて、この日はじめて気がついたんですが、実は磯子の港がすぐそこだったんです。山で遮られていて気がつきませんでした。近くなのに直接は見えない海を感じさせてくれる汽笛、いい感じです。

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使い込んだバーベキューコンロも置いてありました。デッキでやってもいいし、下の庭でもいいし、楽しみ放題です。

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ここからさらに階段を下りていくと下の庭です。明日はそこに行きます。

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下の庭にいます( 市丸邸 7)

では下の庭に下りましょう。
庭からデッキを見上げるとこうです。当初この場所は芝生というか雑草というか、まあほとんど来ることのない場所でした。たまに下りては雑草を駆除する場所。それも5年の間に少しずつ庭らしくなっていって、今では花とハーブがいっぱいで、静かに過ごす隠れ家的な庭として、大勢集まる時には、山の雑木林のキャンプ場にいる雰囲気でバーベキューを楽しめる、そんな庭になりました。

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中央に円形の通路を設けて、その中はハーブ畑、今はタイムとミントがはびこっています。
その周囲は雑草取りの手間を省くために砂利敷に。周囲の雑木林に馴染む自然な感じを保つために、あえて普通の川砂利を使用しています。気が向けば砂利を掘って木を植えてもいいし、畑にしてもいいし、後の展開も含めてのとりあえずの砂利敷きスペースです。

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家から見て左側のスロープは、木杭と板で段々の花壇になりました。

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最初に打ち込んだ杭が数年の間に朽ちて単管パイプで打ち直したり、土が流れるのを防ぐために板を積み足したり、何度か手を加えながら現在に至っています。

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庭の反対側の木陰にはいい感じに古びたベンチがあって、そこは軽井沢にいるような風景です。

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そしてその横に置いてあったウサギの親子、これがものすごくいい!その前にしゃがんでファインダーをのぞきながら「つげ義春の漫画に出てくる親子みたいだ」と思いました。つげ義春って、今では伝説の漫画雑誌のガロで人気だった人で、最もガロらしい漫画家で大好きでした。そのつげ義春の『無能の人』に出てくる河原で石拾って暮らしている(暮らせてないんですけど)夫婦と子供に表情、たたずまい、感じがそっくりで、これを買って来てこういう配置にした市丸家の奥様かご主人か、きっと同じイメージを持っているんじゃないかなあって思うほど、そのまんまあの親子の感じです。

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「男は遠くを見つめ、女は足下を見つめていた。男は実際には見えもしない、遥かな、夢とも幻ともつかない未来を思い描き、そして女は、今日の現実を、夕げの食材のことを考えていた」 という感じ。

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おとうさんは尖ったスコップをしっかりと握っていますけど、お母さんが持っている鍬はさきっちょが一本折れ曲がっていて、何ともドラマを感じさせます。これわざとなんじゃないかなあ、誰だろこの演出、ご主人かなあ。
遠くを見つめる男と足下を見つめる女、うちみたいだなあ。「かあちゃんすまんのう、苦労かけっぱなしで。おらあ明日からちゃんと足下見て仕事すっるからよぉ・・・」。

このウサギの親子からも伝わって来ますけど、ほとんど来ることもなかったこの下の庭は、今では生活を楽しむための大事な場所になっています。宮沢賢治の看板みたいに「下の庭にいます」ってこともあるんじゃないかなあ、きっと。

2月は春なんです( 市丸邸 8)

市丸さんちの樹木です。
以前菊地さんからいただいたメールで「庭をやるまでは2月は冬だと思っていたんですけど、庭に出てみると2月は春の始まりなんですね」というお話がありましたが、全くその通りで、市丸さんちはすでに春でした。撮影日は2月12日で、皆さんおぼえているんじゃないでしょうか、急にものすごく温度が上がったあの日です。天気予報では4月上旬並みの気温と言っていましたが、ほんとに温かくて撮影してても汗かいて、奥様が出して下さった冷たいお茶がおいしかったです。

デッキの階段脇と下の庭にある2本のミモザが満開で、息を飲むほど美しくて、

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アップで何枚も写しました。

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そのミモザを見上げながら元気に伸びているのはローズマリーです。ローズマリーは日陰にも強いので、一般的にはシェードガーデン用の植物と思われていますけど、日向だとグングン伸びて、勢いがあってまるで印象が違います。クリスマスローズもそうで、その花のイメージからも日陰の植物と思われがちですけど、日向に植えると株分かれも旺盛で、放ったらかしでも花いっぱいの大きな茂みになってくれるのです。

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5年前のリフォームをする以前から鉢植えで置いてあったソテツです。段々の花壇をつくった時に階段脇に地植えにしました。ソテツの生長はゆっくりなので、苗木だったのが大木に生長したミモザとは対照的で、印象はさほど変わっていませんけど、ちゃんと新芽は出ています。

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この小さな新芽が見事は円形に開くのは6月頃でしょうか。毎年出てくる新しい葉が、生命力いっぱいに夏の庭にリゾート感を演出してくれます。一年に1度だけ開いて、その分だけ生長しますから、ゆっくりなんです。ソテツの生長は一年で3~4センチと言われています。

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地被性のコニファーです。ハイビャクシンなど昔から日本にあったものもありますが、今売られている多くはここ数年で普通に売られるようになったものばかり。10年前は植物図鑑で見るだけで、現物は珍品扱いでした、。例えば東京ディズニーランドの建設にあわせて日本で栽培販売されるようになったアメリカハイネズ。針葉のコニファーで、当時その苗をたまたま手に入れて、毎日飽きることなく眺めていたことを思い出します。その当時から考えると、現在ホームセンターでもいろんな種類の地被性コニファーが売られていることは、うそみたいにありがたい状況なのです。クリスマスローズもそうですね。数年前は超高級品で、マニアも多くて現在のバラのような扱いでした。それが今では品種も爆発的に増えて、値段は5分の1くらいまで下がって、ごくごく普通の植物になりました。需要に供給が追いついて、珍品、高級品が一般的なものになった時点で、庭でも何でも、ひとつ文化が豊かになった、そう言えるのかもしれません。今なら液晶テレビがそうですよね。家電メーカーは大変ですけど、でもまあそれも世の流れ、日本人の元気さ、たくましさ、ということでしょう。庭屋としてはコニファーやクリスマスローズ、樹木でいうとシャラノキやシマトネリコなどの値崩れはありがたいことです。

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次はジンチョウゲ。これこそ春を告げる花灌木の代表格です。大好きなんですよジンチョウゲの香りって。昨年の春も一昨年の春もこのブログに書いた気がしますけど、以前、毎日現場作業をしていたころに、春のある日、関東中のジンチョウゲが一斉に香りだす日がありました。その日が大好きなんです、ジンチョウゲが香る日。「春だなあ」って。

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市丸さんちのジンチョウゲもつぼみが膨らんできて、すでにこのつぼみの中にはあの香りが生成されているように感じました。春はいい、ほんとに春はいいです。春の到来にときめきを感じるのは、雪国育ちの習性なのかもしれません。

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これはアジサイの芽吹きです。これもいいでしょう、何ヶ月か枯れ木状態だった枝から、ちゃんとこうして芽が出てくる。春の芽吹きって力強くて濃くて、アジサイなのにたらの芽みたいにおいしそうです。

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最後はロウバイです。花が蝋細工みたいだからその名がついたそうです。ロウバイの花を初めて見たのは今から20年前、北鎌倉の紫陽花寺でした。当時、庭のことに夢中で、京都や鎌倉の名刹、有名な庭を歩き回っていました。紫陽花寺もそのひとつで、お寺の方がまだまだ咲かないアジサイのことやミツマタの木、そしてこのロウバイのことなどを解説してくださいました。その日も今回の撮影当日と同じに妙に暖かい日でした。ロウバイを見ると、夢中で庭を歩き回っていた若い日の記憶と鎌倉のあの日がよみがえります。

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何かに夢中だったときの記憶っていいもんですよね。今の毎日も後年いい思い出として残るといいなあ。そうなるように、今日も夢中でがんばります。

50年前の日本人は( 市丸邸 9)

市丸さんちの草花をご覧いただきながら、今日はちょっと庭からはなれて以前にラジオで仕入れた話をもとに、ふだんご来店いただいたお客様に話していることの一つを書き留めておこうと思います。

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ラジオで仕入れた話とは、
50年前の日本人は朝起きると「何か食べ物あるかなあ、今日はどうやって食べ物を手に入れようかなあ」と考えていた。というものです。

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確かにそうだったんですよね。50年前といったら私が生まれたころですから、物心ついたばかりの私の記憶でも、食料確保が生活だったという感じはありました。とにかく食べ物、ご飯はありがたいもので、好き嫌いなどもってのほかで、「お百姓さんに感謝しながら食べなさい」とか「ご飯粒を残すんじゃない」とか言われたものです。まだ戦後の感覚もあったので、大人たちが食べ物がなくて苦労した話は日常的に聞いていましたし、栄養失調の子供や近所の人が米や味噌を借りにくる、なんていう光景もありました。ちなみに保育園では生温くて臭くて、粉がダマになっている脱脂粉乳を飲んでいたし、小学校の夏休みには肝油ドロップが配られていた、そんな時代でした。

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今、そんなことないですよね。50年経って、人は朝起きて「何か食べ物あるかなあ」とは考えなくなりました。別に朝食を食べないで出かけても、お腹がすいたらコンビニに入ればいいし、食べたいときに食べたいものを買うお金なら、小学生でも持っています。

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便利になったんですよね、そして豊かになった。地球上の6人に1人はいち日1ドル以下で生活していると言いますから、財布の中身を気にしないで食べたい時にカップラーメンやおにぎりを買える、われわれのお金持ち度はものすごいことです。でも、それでよかったのかなあって。
この、人が朝思うことと別に、50年で変化したことがあります。それは地球の気温です。
これはJAG(ジャパン・ガーデンデザイナーズ協会)の勉強会で入手した、1000年前からの気球気温変化です。ゾッとしますよ。

過去1000年間の北半球平均気温の変動
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1000年前から900年間、北半球の気温はゆっくりと0.2度下がりました。そして100年前からグラフが暴れだしていますね、これは化石燃料を使って工業化が進んだことを表しているのでしょう。つまりある意味、発展による気温上昇とも解釈できます。グンと上がっていったのがいったん下がって落ち着きかけていますよね、それが50年前です。そして最近の50年は・・・、グラフにならないような急上昇で、もう壊れてしまった感があります。50年間で1度近くの上昇、1000年グラフで観ると、もう異常事態というか、取り返しがつかないことをしでかしてしまった気さえしてきます。

詳しくは2007年8月15日「恐怖!地球温暖化のはなし」と翌日2007年8月16日の「壮絶!東京のヒートアイランド現象」をごらんください。

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つまり、人は朝起きて食べ物の心配をしなくてよくなったのと引き換えに、地球を痛めつけてしまった、ということですよね。便利に、豊かに、でも多分、それは度を超しちゃってますよ。「50年前くらいが人類として健全だった」、そう思いませんか。ソニーのカメラでGPS機能付きのが発売になりました。地球上のどこで写してもその位置がカメラに地図で表示できて、写真にその情報が残るのだそうです。(私は昔からソニーファンですけど)何のためにそこまでの機能が必要なのか、何でそれを量産して売りまくらなければならないのか、私にはさっぱり理解できません。それで人が幸せになるならいいんですが、今まで世の中にその機能がないことで不幸になったひとはいないので、多分不必要な高機能なんですよ。そうやって、もう必要のないものを考え出しては生産し続けなければ経済を維持できない生産中毒状態になっているんですよね。

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これはぼくごときが、大きく構えて社会批判をしているんじゃなくて、そういう状況下でぼくたちはどのように暮らすことがいいのか、ひとりの庭屋がその提案をするための前振りですから、そのようにご理解下さい。

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で、どう暮らしていったらいいのか。結論を先に言いますと、「焼き芋食いながら暮らしましょう」。

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このはなし、明日に続きます。

だから焼き芋食べながら・・・( 市丸邸 10)

引き続き市丸さんちの草花をご覧いただきながら、昨日の続きです。

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この50年で、朝起きて食べ物の心配をしなくていい社会になった代わりに、たった50年で地球の温度を1度も上昇させてしまった。そのことで地球が人間に与えた罰は、何だと思いますか。気温だけではない、地球上から7分の1種類の生物が滅んで消えているといいます。それもこれもぼくたちが引き起こしたこと。何だと思います、地球の罰。それはですね、「家族が壊れる」という罰なんですよ。温暖化でツバルが水没することよりもはるかに悲惨な罰です。ツバルの人たちは他に移住して、たくましく家族が力を合わせて暮らしていくはずですから大丈夫。問題は日本人なんですよ。気温が上がって云々ではなくて、もうひとつの方の「朝起たときに食べ物のことを考えなくなってしまった」という方向からその罰は迫って来ます。

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これ以上の便利さ追求や物の洪水はどう考えても、今までのペースで続くはずはありませんので、生産活動は停滞してきます。つまり不況がやってくる。それは景気の波という質のものではないので、景気刺激策とか政策では持ち直さないでしょう。そういう不景気ではなく、行き過ぎた50年間を反省してクールダウンして、50年前まで生活の立ち位置を戻す、そういう性質の景気後退になるでしょう。(経済学者でもないのに何ですが、でも多分当たりますよこの予測。庭から世の中を眺めているとそういう気がして仕方ありません)

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景気が悪くなると何が起こるか、それはすでに日本人が経験していることです。バブル崩壊後に何が起こったのか。自殺者が1万人から3万人に増えました。離婚も増えました。昭和時代には考えられなかった種類の事件が連日報道されました。どんどん家族が壊れていって・・・。

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経済ごときで家族が壊れていくなんて、しかもその壊れかたがあまりにもろくて、砂糖菓子を地面に落したように人が壊れ、家族が壊れ。便利さ、豊かさと思って暮らしているうちに、心が弱い種族になるように、そのように地球が仕組んでいたんだと考えると、ね、地球からの罰は家族の崩壊なんです。島が沈んだり雪が少なくなったり、東京湾で熱帯魚が泳ぐようになったり、そういうことよりももっと残酷な罰です。

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だから、焼き芋食べて暮らしましょ!土から掘り出した何の混ぜ物もない野菜を洗って、原始人みたいに火であぶって食べる。それの美味さを忘れないように、そういう素朴な味を美味いと感じる、普通な自分を確認しながら暮らしましょうよ。便利さは享受しつつ、素朴さを忘れない暮らし、スローライフ、ロハス、そっち方向へのイマジネーションを高めて暮らすことが、あなたの家族を地球の罰から守る、そう思うんです。家族みんなで焼き芋食べながら暮らしましょう。

空が庭になった( 市丸邸 11)

奥様の「狭いベランダを突き破って空中に出たい」というすばらしいイマジネーションから実現したウッドデッキ。普通は今ある環境が当たり前と思って暮らしているものです。私もそうです。その普段の状態から「もしこうしたら・・・」「例えばこんなことって・・・」とイメージできる人、そういうことが得意な人っているんですよね。

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ぼくはイメージすることが仕事で「イメージできたらできたも同然」と言い続けていますけど、こと仕事以外ではなかなかそうはいかなくて、市丸さんや、お客樣方の生活全般にわたるイマジネーションが豊かさに、日々刺激を受けています。仕事以外、例えば服装(我が家はユニクロ専門です)やインテリアや、もっとイマジネーション豊かに暮らさなければと。これも訓練なんですよねきっと。

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イマジネーションから出現したこのデッキ、想像力によって空に庭をつくった感じです。このデッキから眺める空は、それまで室内から見ていた空とは全く違うはずです。窓の外にある空と、上空にある空。空の下で過ごすって、それも空中で、最高ですよ。

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2匹のワンちゃんがデッキに出たがって室内から撮影しているぼくのことを覗いていました。

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サッシを開けると、もう大変!大喜びで駆け回っていました。

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何度つくっても実感すること、ワンちゃんと子供はウッドデッキが大好きです。気持いい場所を知っているんですよねえ。

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もう一度繰り返します。奥様のイマジネーションがなかったら、この最高に気持いい空間がこの世に出現することはなかった。想像力ってすごいことですよね。


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