Garden Re- Quest 暮らし方を思い描く
広い庭スペースがある家を購入し、生えていた昭和的な庭木をきれいさっぱりと処分して、さて、どうしたものかと、半ば途方に暮れてご来店。

ご夫婦に、初対面でお話しした事柄は以下の通りです。
⚫︎ カーテンを開けて暮らせるようにすること(目隠し)を前提として、庭をどうするか考えてください。
⚫︎ 敷地が長方形なので、ロールケーキを切る方向で分割すれば二つか三つのエリアを生み出せます。
⚫︎ ぼくは「庭は生活空間である」と思っていますので、眺める庭ではなく過ごす庭を提案します。
⚫︎ リビングの前は段差をなくして、部屋が外に広がる感じで。もしくは外にひと部屋できた感じに。
⚫︎ 芝生のある暮らしと畑を楽しむ暮らし、どっちを選びますか?それとも両方欲しいでしょうか。
⚫︎ 夜の庭を楽しんでいただくために、暗くなったら自動で明かりが灯るようにします。

Plan A

Plan B

このふたプランをご覧いただいて、意見をお聞きし、出来上がったのがこれ。
Plan C

さらに打ち合わせを重ねて細部を整え、最終プランに辿り着きました。
Plan D

左側アップ

右側アップ








































ガーデンデザインとは単に庭の構成を考えることではなく、庭がある家の暮らし方、庭の楽しみ方を提案するのが仕事です。
















庭の楽しみ方とは、例えばこういうこと。起きたら庭に出て外気を浴び、天候を確認し、太陽の位置を把握しながら日中を過ごし、日々季節の移ろいを知り、夜空を見上げ、光と風を感じて静かに自分を見つめること。集うこと、植物を育てて収穫し食べること、読書、バーベキュー、昼寝、ストレッチ、趣味のあれこれ、と限りなし。水やりや草取りも庭のお楽しみです。


あなたは暮らしの中で何を楽しく感じるでしょうか。庭をあなたのテリトリーにして、その楽しみの舞台と捉えてみてください。
田部井くん、台風はいい具合に逸れてくれたし、予定通りに暑気払いをしよう。ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナを喰らって体力回復だ。明日はフェーン現象で暑いらしいけど、その後は平年並みに落ち着くみたいだから、秋に向かって晩夏を駆け抜けるイメージでいこうぜ。
田部井P 晩夏を駆け抜けるイメージ、いいですね。元気が出ます。
HI 元気が出ますって、きみはいつも元気じゃないか。
田部井P そうでもないですよ。だいたい空元気です。
HI おれもそう。でもそれでいいと思うんだよね。元気なふりをすれば元気になってゆく。笑っていれば楽しくなるし、背筋を伸ばせば頭が冴えるし。
田部井P ああ、それわかります。しかめっ面でうつむいていると、限りなくストレスが溜まっていきます。自滅しそうにうなりますよ。
HI 基本的に仕事も暮らしも、けっこう大変なことの連続なんだよなあ。でも実はそれが普通でさ、だから元気を出して乗り切るしかない。繰り返し繰り返し空元気で課題を乗り越えると「いつも元気で楽しそうですね」と言われるようになる。庭仕事と同じだよ。草取り、水やり、植え替え作業を積極的に楽しめる人だけが美しい庭を維持できる。あのほら、前に撮影を手伝ってもらった原田さんはそういうタイプだね。毎朝5時には庭に出て作業しているらしい。楽しくてしょうがないんだって。
田部井P あの庭はいいですよね。庭が人を手招きしているあの感じ。原田さんの生活感覚と合致していることがわかりました。
HI そうだ、原田さんちもブログで紹介しなきゃ。楽しみにしてくれてたし。さ、元気なふりして、今日も頑張ろ!