『腸内ガーデニングのすすめ』
腸内環境のことを『腸内フローラ』と言ったりしますよね。フローラ( Flora → 植物群生、お花畑 )、人の腸には1000種類1000兆個以上の細菌が生息しており、それを顕微鏡で覗くと各細菌がひとかたまりになって増殖しながら調和している、それがまるで色とりどりの花が咲く花壇のようだ、ということからそう呼ばれるようになったそうです。
ガーデニング好きの庭屋としては俄然興味が湧きまして、その手の本を読み漁り、テレビ・ラジオからも意識して腸に関する情報を拾い集めて、わがお腹の中にある花園の管理を楽しんでいます。
興味深いことに、これが実際のガーデニングと似た論理で成り立っている。例えば「草花(菌)の種類が多いほど全体のバランスが良好になる」とか、「肥料(食物繊維)不足に注意」とか、「常に植え続けないと花数が減って雑草(悪玉菌)が蔓延る」など。つまり日々庭の様子を気にかけて暮らすのと同じことなのです。
良質な肥料としては野菜と雑穀と海藻類。そして植える花苗は納豆、ヨーグルト、鰹節、漬物などの発酵食品を。これらを毎日、ランダムに食べることで腸内は百花繚乱、絶好腸な暮らしとなる。避けたいものは化成肥料(保存料、甘味料、着色料、香料など)で、食品添加物の多くはせっかく腸壁に根付いた花を枯らしてしまうそうです。
ところでなぜ腸の調子が大事かと申せば、それは小腸でホルモンが産生されるから。幸せホルオンとして有名なセロトニンやオキシトシン、やる気を出させるノルアドレナリン、感動を呼ぶドーパミン、心身を修復するメラトニンなど、今日を生き生きと送るのに欠かせない各種ホルモンを作り出す工場なんですね。故に腸の不調は思考の不調に直結しますので要注意。では大腸は何のためにあるのかというと、良好な排泄のため。犬を飼っている人はご存知の通り、大便は体内からの大きな便り、愛犬のウンチの状態で健康を確認します。コロコロフワフワしたいいウンチが出ると小躍りするほどうれしいいうのが愛犬家の習性です。もちろん人間も同じこと、下痢と便秘は腸内花壇が荒れている証拠ですから食生活の改善を。
ヒトの起源をどこまでも辿って行けば、もともとは口と腸と肛門、つまり腸だったわけで、そこに目鼻がついて、手足が生えて、おまけに厄介な脳などという臓器まで発達させてしまったからややこしいことになっているわけで、第二の脳と言われる腸を健康に保ちながら、頭に乗っかっている方の脳を暴走させないように、せっせと腸内ガーデニングに励みましょう。