霊性の湖水から抽出した主な内容は以下の通りでした。
占星術上のタイムラインには火・土・風・水という4つの主軸があり、それぞれが200年〜240年の長さで繰り返し入れ替わってゆく。産業革命に端を発した土の時代が2020年に終わり、次は風の時代がやってくる。それは折りしもか、奇しくもか、Beforeコロナ→ Afterコロナと合致する。コロナ以前が土の時代で、これから来るコロナ以降の世界は風の時代となる。
土の時代が物質重視、効率優先、立身出世、権威主義、つまり「高邁なる夢を語り、大志を抱いて頂上を目指せ」ということが時代的価値であったことに対して、次なる風の時代は、まず最初に突風が吹き荒れて、それら土の時代の価値観が無惨に消し飛ばされ荒野となる。そして人々は物欲や出世の呪縛から解放され、空気感や精神を重視し始める。
サン=テグジュペリが言うように、心や、愛情や、目に見えない事柄に価値を見出すようになる。敷かれたレールに乗るのではなく、いくら稼ぐかではなく、無から何かを生み出す確固たる自己のスタイル、独自の価値観を確立した者が幸運なる生存者となる。労働を苦役から生き甲斐に変化させ、利益のためではなく、楽しさのために働く。
宗教、団体、会社、SNS、やたらに群れたがることから離脱し、情報を少なく、これまでの『形・お金・ポジション』に引き寄せられることから、『バイブス・波長・波動』に同調しながら相手の『知性の質』に同期してゆくコミュニケーション、小規模な内輪での家族的コミューン形成が望ましい。
土に時代に英雄視された企業戦士など、過剰に働く者は滅んでゆく。風を読み、上昇気流に翼を広げ、悠々と行く者が天高き世界の幸福を手に入れる。それは同時に、混沌とした地上で自らの権利を主張することから、天空からの視点で、私ではなく私たち(家族)の平安を維持するために生活することが重要になる。
土の時代では、人格に多少の歪みがあっても数字で成果を上げれば成功者となった。風の時代ではそうはいかない。健康な精神で風向きを察知しながら暮らす者、心身のバランスが自然と合致する者ほど楽々と幸福に至ることができる。
マスコミ報道や風潮と無縁に、自らの五感を通して得た理論に従う行動で蓄積した経験則によって、アストロジカルな(宇宙・自然とシンクロする)生き方を目指す。不自然な考え方や言動は弊害を生んでしまい、利己的で、家庭や社会で笑顔なき暮らしを続ける者は淘汰される。
蓄積(蓄財)の時代は終わった。今後は軽やかに稼ぎ軽やかに使うこと。富を増やして残すよりも、いかにして循環させるかが重要となる。単なる消費ではなく、お金と共に知恵を使い、周囲の人と喜びをシェアするというタイプの人にのみお金が巡ってくる。あまり欲しがらない人にちょうど良く、それが良好な循環。ケチケチし、ガツガツすると貧しくなる。
恋愛や夫婦関係においては、これまでは派手でパワフルで、社会的な能力値が高い相手を理想としたが、これからはそういった対外的スキルではなく、無人島でも一緒にやっていけそうな人、常にこちらの表情筋を緩ませてくれる、副交感神経をオンにしてくれる癒し系がパートナーの理想像となる。
ざっとこんなところです。この本を読みながら、繰り返し大谷翔平の姿が浮かびました。彼の神がかり的にして、あくまでも、いたって普通の好青年ぶりはまさしく風の時代の申し子ではないかと。それと大人気番組になっている『ポツンと一軒家』。人里離れて暮らす人の精神と笑顔の、何と健全に輝いていることか。いち早く風をキャッチした者たちの日常は、何と溌剌と楽しげであることか。
読み進め付箋部分を反芻するうち、疑問というか疑惑も浮かびました。予言的な部分が当たりすぎている。これってもしかしたら後出しジャンケンかも、と思い調べたところさにあらず、出版は2020年11月となっています。2020年、ロシア議会で改憲が成立しプーチン大統領の永続的地位が確定、東京五輪延期、バイデン氏が米大統領に就任、新型肺炎発生のクルーズ船が横浜港に停泊し、日本でコロナ騒動が始まったのはこの年の2月。そう思うと、その後に国内外で起こったドタバタ、悲喜劇のあれやこれやを見事に言い当てているわけで、う〜ん、占星術とかスピリチュアルな世界は、なかなかあなどれないものです。