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The Pretender

暑くもなく寒くもなく、朝と夕に少しだけ冷えた空気に頭がしゃきっとする。日中は真っ青な空から来る強めの光に目を細めて歩いている。何の文句も思いつかない、完璧な天気が数日続いている。
強いて文句を探し出すなら、それはぼくではなく、ぼくに仕事を依頼してくれている人たちの中にあると思われる。数件の仕事が途方もなく長い間手付かずのままになっていて、つまりは数人の方にストレスを感じさせ続けているのです。 天気が完璧な日であっても、自分まで完璧な人になれるわけではない。やれやれ。『風の歌を聴け』の冒頭はこうだ。
 
夕陽を後光に我が家のバラ。
ほんの数分の完璧なる演出。
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「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」僕が大学生のころ偶然に知り合ったある作家は僕に向かってそう言った。僕がその本当の意味を理解できたのはずっと後のことだったが、少なくともそれをある種の慰めとしてとることも可能であった。完璧な文章など存在しない、と。 しかし、それでもやはり何かを書くという段になると、いつも絶望的な気分に襲われることになった。僕に書くことのできる領域はあまりにも限られたものだったからだ。例えば像について何かが書けたとしても・・・
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神様、あ、いやこの場合はお待ちいただいている皆様、どうぞご慈悲を。完璧とはほど遠い自分の力量不足で、気が遠くなるほどの時間お待たせしていることをお赦し下さい。
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完璧な自分などといったものは存在しない。存在しているのは、不器用なスケジュールで墓穴を掘り続けながら、ひとつひとつ丁寧に、夢いっぱいに新たな庭を思い描いている自分。他にやりようが見当たらず、そんな合理性を捜す暇もなく、設計と、設計のためのコンディションづくりで過ぎてゆく日々。なれど、自分勝手に言ってしまえば、ですが、澄んだ陽射しに限りなく透明に近いブルーに光るガラス片みたいに、幸福なる日々ではあるのですが。まあ、とるに足らない、砕けたグラスか空き瓶のカケラですが。
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そのうち誰かしらに叱られる気がして、それならまだしも、がっかりさせてしまうのではないかとビクビクする気持ちを押さえ込んだり、飲み込んだり、放り投げたりしながら、さてと、設計に集中いたします。
 
BGM はガラクタだらけの頭を掃除してくれるこの曲で。
テイク・イット・イージー、気楽に行こうぜ、じゃなくて、 なんとか踏ん張って もう一回頑張ってみようぜと励ましてくれるのです。

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高速道路沿いの家を借りようと思う。そこで毎朝弁当を詰めて仕事に出かけ、夕暮れ時には帰り着き、ささやかな庭でささやかな時を過ごしてから身体を横たえる。朝日が差し込んできたら起きて、また同じことを重ねる。
アーメン。もう一度、アーメン。

何が変わってしまったのか。愛がもたらす何かを心待ちにしていたのは、愚にもつかない夢だったのだろうか。それでも彼女は日が暮れるたびに、またもや幻想とも妄想ともつかない、ひどいアル中患者のような絵を描こうとする。
アーメン。もう一度、アーメン。

愛ある暮らしへの憧れとカネにあくせくるす現実、その狭間。唸るサイレン、響く教会の鐘、鉄くず屋ががフェンダーを叩き潰す音がこだまする世界で、信号待ちのわずかな間に退役軍人が見る、かつてさまよった戦場の甘美な悪夢。小銭を握りしめてアイスクリーム売りが来るのを虚ろ顔でじっと待つ子どもたち。そんな街をしたり顔で歩くぼくのポケットには、もうアイスを買う小銭も、夢も希望も、愛のかけらも入っていないことは明らかだ。

恋人たちの笑い声が夜を駆け抜けてゆく。ゾンビの巣窟か、ステージ駆け上がり調子に乗って裸で踊り出す、醜悪なオヤジどもが入れられた精神科病棟のような、あるいは空爆されたシリアの虚しい風景みたいな街から、そんなの知ったこっちゃねえと勢いよく、二人の夢を満載にした船は彼方へと出帆してゆく。

きっと、必ず、素敵な娘を見つけよう。笑うことの意味を教えてくれるその人と、互いに欠けた色を補いながら一緒に夢の塗り絵をするんだ。夢中になって何が何色かわからなくなったらサングラスをかけて愛し合う。やがて二人に朝日が差し込んで来て、祈りを捧げる。繰り返し、繰り返し。

再び幸せな愚か者になろうと思う。相変わらずカネにあくせくしながらも、溢れる広告が躍起なって「幸せはいかがでしょう」と、「今ならお買い得」と弱った魂に狙いを定めて来るこの街で。

神様、主よそこにおわすなら、あの日、夢と希望を満載にして旅立ち、やがて難破しうらぶれた港町に流れ着いた者に祝福を。大真面目にフリから始めようと試みる者にお導きの光を。さまよい膝を折り地べたに突っ伏した末に、もう一度だけ、全力でその気になることで立ち上がろうとしている者に。


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