コラボレーション 原田邸(横浜市栄区)8
新築の更地(平らな地面)に庭空間(ワクワクする立体的な場所)を出現させるという新築住宅の庭づくりは、イーゼルに賭けた真っ新なカンヴァスに、気合い一発、風景画を描いてゆくような緊張感と高揚感があります。
下書きの線を引いては消し、引いては消し。やがてその平面に立体的な庭が見えてきたら、お客様ご一家を加えたイメージで描き進めます。主人公の登場です。
花が咲き、木々が成長し、朝昼晩と光が変わり、季節が巡り、そこが暮らしに欠かせない場所に感じられるところまで描き込めたら、その絵は画像から動画に変わります。
カンヴァスに風が吹き、笑い声が聞こえ、お友達がやって来て、犬が加わり、やがて家族が増えていって、それはまるで映画の予告編のように。
これが設計時にぼくの頭の中で起こっている現象で、このパターンで仕上がったプランは必ずよろこんでいただけます。
完成後に何度か奥様がご来店されて「バラがすごいですよ。見に来てください」と。
伺うたびに花が増え、人が増え、笑顔があふれる庭の成長を拝見できました。
設計前の方を「これが『過ごす庭ですよ」と、ここにお連れしたことが数度かあります。ぼくの理屈っぽい庭論よりも、体感してもらう方が伝わりますから。一瞬で、一発で、「なるほどねえ〜、素晴らし〜」と、普段なら長い時間をかけて解説してゆく、目隠しの重要性、庭を間取ること、庭は植物のためじゃなく人のための場所、自然を感じる外の部屋、これらのことを感じ取っていただけました。
それともうひとつ、この庭はぼくの作品ではなく、ぼくと奥様とのコラボレーションで出来上がった庭なのだということも。
お客様とコラボした庭。実のところ、価値ある庭に仕上げるためにはこれが最上の方法なのです。
いつも仕事上のアドバイスをくれて、この現場の施工も手伝ってくれた田部井Pを交えてのティータイム。
プランから完成まで記憶に残るうれしい展開の庭でした。奥様のご来店を楽しみにしつつ、熱心にコラボレーションしてくださったことを感謝しています。

















