今回のお客さまはわが家と逆で、港南台から新宿区西落合に引っ越した伊藤さんです。
自分が新宿区→港南区という移住を大成功だと思っていて、その逆、港南区→新宿区という伊藤家の設計を依頼された時に考えたことはただひとつ、“ 港南区らしい庭を新宿区につくろう ”ということ。そうすればストレスの吹きだまりのような(とても極端な私感ですけど)新宿区でも気持ち良く生活できるのではないか、そんなふうに考えました。
Plan A
自分で設計しておきながら、現地に立つと「ホントにこれをつくったら素晴らしいけど、周囲とは完全な異空間になるなあ」と、それほど新宿区は港南区とは別世界で、空気感や音や周辺の町並みから感じるある種のプレッシャーに、はたしてここに“ 港南区の庭 ”を無理矢理ねじ込むように頑然と出現させることが伊藤さんちにとって正解なのだろうか、そんな気がしてきて・・・。
このプランをご覧になったご主人の「私はもっと和風の方が」のひとことで、すぐに次のプランに移りました。次がはっきりと見えているわけでなくて、今はもがいてみることが大事なのではないか、もがいているうちに違うカタチが出てきて思いもよらなかった正解が得られるかもしれない、そう思ったのです。
そうは思ったものの、正解に至っていないことを自覚しつつもがいて、Plan Aをベースにモダン和風にアレンジしたのがこれです。
Plan B
ご主人の反応は・・・イマイチでした。