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丹波石の通路-石富邸
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丹波石の通路-石富邸

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『もっと』へ広がるイマジネーション( 石富邸 1)

さっ、今日から新シリーズです。

ビフォーはこんな感じ。

和室前(玄関アプローチ)

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リビング前

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このままで不自由なことがあるわけではないですし、決定的に気に入らない部分があるわけでもないそうで、でもそこが 庭に意識がいく方 のすばらしいところで、もっと という方向にイマジネーションが働くんですねえ。そしてそれを実現しようとする。この、生活をよりすばらしいものに組み立てていこうというベクトルを感じると、俄然張り切って、素早くギアチェンジしながらトップスピードまでアクセルを踏み込む私なのです。「きっとよろこんでいただける」「イメージ以上に生活の充実を感じていただける」という(まだプランもしていないのに)根拠の無い自信をめいっぱい膨らませつつ、そのことを自分自身に証明してみせたいという挑戦というか闘争心というか(運動会のスタート前みたいなもんですね)、そういったきんちょう感をごくっと飲み込んで、ドバーッと設計作業に突入。・・・少々おおげさではありますが、何百回何千回設計してもそのつどこういう感じ。習慣というかそういう性格というか、癖なんですねきっと。

で、出来上がったのがこれです。まずは和室前。ご主人は縁側から外を眺めて和にひたりたいというご要望でした。

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そして次はリビング前です。「ウッドデッキを」というご要望で、あれこれ考えた末にウッドデッキとBBQテラスという組み合わせをご提案しました。

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現状に満足していて、さらに高みをイメージするということは、簡単そうでありながらなかなかできないこと。私のガーデンデザインでそのお手伝いができれば最高の幸せなのです。

久々の『和』です( 石富邸 2)

お客さまの もっと へ向って広がるイマジネーションがこういう庭になりました。和室前/玄関アプローチのビフォー・アフターです。

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和室前ということとご主人の希望で、久々の 和 です。このシリーズでは庭をご紹介しながら「和の庭」についてあれこれ考えてみようと思います。

『和』のアプローチ全景( 石富邸 3)

「縁側から 和 を感じたい」ということで、でも住宅展示場の和室前にあるようなつくばいセットを置いてチマッとさせてもつまらないし・・・。アプローチ全体をいわゆる モダン和風 に仕立てました。この場合のモダンはモダニズムとは別の、まあ現代風といったところです。ブルースじゃなくて演歌なのに『港町ブルース』みたいなものです。で、現代風とはつまり・・・、だいいち 風って何よ 風って! ・・・このように洋風の家に和を組み合わせようと思うとまずは理屈を組み立てたくなるものでして・・・、・・・これがどうにも混沌としてきて・・・。かといって何でもありと称して和の作法を無視した仕立ては大嫌いだし。

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過去何度もこのことを逡巡しながら洋風の家に和風の世界をつくってきて、今は一つの結論めいたものを持っています。
洋楽、例えばビートルズを夢中になって聞いていた頃、同級生に言われました「英語わかんないのにそんなの聞く意味あるの?」確かにそうだとも思いつつ、でもやっぱり歌謡曲やフォーク、ニューミュージックと言われる音楽とは別格の、ある種崇高な宗教音楽を聞く感じでビートルズやエルビスやカーペンターズやボブディランを聞きまくっていました。そのうちにいくつかの単語や小節が意味を持って入ってきて、例えば『風に吹かれて』の その人はあとどれくらい歩けば一人前の男と呼ばれるようになるのだろう というフレーズが突き刺さってきて、そこから、まるで詩人か哲学者になったように思考やイマジネーションが広がっていきました。私の中に無数にあるそういう言葉とメロディーの蓄積で自分が出来上がっている気もするのです。でもいまだに英語は???でして・・・。

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同級生の言うように、理屈としては意味不明な言語の曲を聞いても本来の意味は理解できないと思うのです。でもそれでもその曲にインスピレーションを感じて夢中で聞きまくることの方が、聞かないよりもはるかに得るものが大きい。つまり結論というのは 考えるな、感じろ! ということ。和風と洋風をあれこれ考えるより和や洋やアジアやポリネシアや、理屈抜きで感じることのほうが重要だということ。ただし、それを表現するときにはいつも通りに理屈や作法が必要で、まあそこから先はそのデザイナーの力量なので別の話になってしまいますから、とにかく 考えるな、感じろ! なのです。

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あぁ理屈っぽい!こういう性格だから自分にそれを言い聞かせないと自分の理屈で身動きとれなくなってしまうのです。 考えるな、感じろ!

ちなみに、この庭のデザイン的なポイントは中央の木です。アーチから玄関に向っての直線をさえぎる場所に木を植える(まっすぐ歩けなくする)ことで、通路が庭になるのです。つまり導線を寸断しつつぬれ縁前に溜まりをつくって、通り過ぎる動きの途中にたたずむ場所を挟み込んだわけでして、さらに株立ちの木の枝が場を立体的に構成して・・・あぁホント理屈っぽい。

ベテランならではの延べ段( 石富邸 4)

今日は延べ団をご覧頂きます。素材は丹波石と御影のピンコロ。

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本来は目地をもっと深くして、西日で影ができるくらいにするもんなんですけど、毎日歩く場所だから歩きやすい方がいいだろうという職人さんの気遣いで、ほとんどフラットに仕上げられています。いいんですよねえこういうのが。しかも味わいは損なわれていない、とても丁寧な仕事です。

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ピンコロを積んだり円描くのって設計的に便利で10年くらい前から様々な仕立てを試みてきました。そして施工は夢中になれる楽しさがあります。形がふぞろいなので、きれいなラインを出すのが難しくて、でもそれが夢中になれる要因。石をクルクル回しながらパズルのように組み合わせていくのです。で、遠目にスムースなラインになるように。時間を忘れてしまいます。以前は現場のすべてを自分で施工していたので、ピンコロやる日は楽しみで、朝から吉牛喰って来合いを入れてウキウキしながら現場に向かったものです。

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自分でやってみるとわかるんですけど、こういう不定形な資材で施工する時は職人さんの技術とともに、意欲とか誠意とか体調によって仕上りが大きく変わってくるものです。今回の仕上りには大満足。さすがベテラン!目地を浅くする気遣いといい、熱心に施工してくださった矢沢タイルの(通称)オジサンに感謝です。

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今日も設計上のポイントをひとつ。カーブ施工の場合は、可能な限り現地でその曲線の中心点に杭を打てるように構成します。中心点からひもを張ってコンパスの要領で施工することできれいなカーブがつくりやすいからです。でも施工のしやすさよりもデザイン優先ですから、中心点が建物の中だったり空中だったりということもしばしばで、そういう時はオフセットで丁張りを出して(ちょっと専門的ですかね)、職人さんが不安無く作業できるようにしています。

こういう現場は自分でつくりたくてウズウズしてしまいます。腕の見せ所。でも慢性的に設計が溜まっていて・・・、だれか私のイメージ通りに設計してくれるひとがいてくれたら、私は弁当もって現場へGO! 楽しいだろうなあ。健康的だし夜のビールもうまいし。スタッフが育ってくれて余裕が出て来たらもう一度ドップリと現場をやりたい。そして細部や微妙なニュアンスまで自分のイメージ通りに仕上げてみたいなあと、まあ、無い物ねだりなんですけど。

今日は会社説明会でE&Gアカデミー(神田橋)におじゃまします。ガーデンデザイナーを目指す若者たちに会えるのが楽しみで数日前からワクワクしていました。午後は幕張メッセでのガーデンショーを見学に。広い会場なので一万歩は歩くんじゃないかなあ。久しぶりに設計作業無しの一日。さっ、はりきって東京へGO!

いまどきのヤマモミジ( 石富邸 5)

一昨日アプローチの話で出てきた『導線をさえぎる木』がこれですヤマモミジ。

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樹形はきれいな逆竹ぼうき型の株立ち(ひとつの株から数本の幹が出ているもの)。
株立ちの木と言えばシャラノキ、エゴノキ、ヤマボウシなどで、20年前くらいから徐々に人気が出始めて、今では庭木販売の主役であり、設計上もなくてはならないものになっています。庭の変遷、近代史的にも松や梅などの仕立物の庭から、こういった株立ちの自然樹形を生かしたナチュラルな雰囲気の 雑木の庭 への移行というのが大きな変化です。

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で、このヤマモミジですけど、こういう株立ちでの流通はごく最近になってからです。雑木の庭が主流になってもなおヤマモミジはヤマモミジらしい樹形で使われていました。それはもともとの自然樹形(傾いた幹にパラソルを開いたような枝のつき方)が雑木の庭にマッチしたナチュラル感を持つものだったからだと思うのですが、それはそれとして、ここ数年今回使ったような株立ちのヤマモミジが普通に手に入るようになってきました。やはり今どきの庭木はヤマモミジであっても株立ちの方が売れるということなのでしょう。庭木の生産者も世の中のニーズを捉えてがんばっているということです。かく言う私はこの株立ちのヤマモミジも好きで、昔の形のと今どきの株立ちを場所によって使い分けています。
この株立ちのヤマモミジを庭に植えたときの注意点は剪定の仕方です。他の株立ちの木に比べて樹形が乱れやすい。株立ちであっても本来のパラソルを開いた形になりたがるので、剪定の時は極力さわやかな雑木らしく竹ぼうきをひっくjavascript:void(0);り返した形に仕立てたいものです。それと枝を途中で切らないこと。逆枝や立ち枝はその根元からつまむ(枝を抜く)ようにすればOK! 暴れたがる性格をある程度制圧しながらでないとヤマモミジの株立ちの雑木っぽい感じは維持できないのです。

結界とゆらぎ( 石富邸 6)

茶庭(茶道)の言葉で結界というのがあります。界を結ぶ、つまり異なる世界をつなぐということです。今の言い方だとパーテーションがそれに近いんですけど、パーテーションだと区切る、切り離すというニュアンスなので少し違ってきますから、やはり馴染みの無い言葉ですけど結界を使うことにします。
この木製アーチが結界です。アーチの手前と右側は洋風の仕立てが広がっていて、アーチをくぐると和テイスト。その異なる2つの世界を違和感無く結び付ける役割りをこのアーチが果たしています。くぐることで別の部屋に入る感じや、奥への期待感を演出してくれるのです。

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その結界を通過すると和の世界。そもそも何をもって和とするのか、現在の住い方で和をどうとらえ、どのように扱えばいいのかについては後日にまわして、ここではこの和空間を演出しているふたつのアイテムをご紹介します。
まずは縁側の正面に建てた木製パネルです。タカショーのe-ウッドフェンス、EUPー1118。穴が大きめ(15センチ)の縦横格子パネルで、モダン和風を立体構成する時に重宝しています。このように目が当たる高さに和テイストを持ってくることで、平面や点では無く空間が意識されるようになるのです。・・・ほうら今日も理屈っぽくなってきました。

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そうやって場に厚みを持たせた上で、今度は点。この場所のフォーカルポイントは中央のヤマモミジで、そのことをさらに強調する意味も込めて根元近くに照明器具を置きました。

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タカショーの和風LEDライト『宵待ち』です。これが優れものでして、ローパワーLEDモジュール(1/F庭ゆらぎ)という装置によって障子の中でろうそくの炎が揺れているように光がゆらぐのです。数カ月前に展示会で現物を見て一発で気に入って、いつか使ってみたいと思っていた製品なのです。

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夜はいいですよこれ、和室の雪見障子から縁側越しに見えるゆらぎの光。特に今の時期、虫の声をBGMに、風呂上がりにどっかりとあぐらをかいて、上質な酒をクッと。気分は幕末の京都へワープです。世を憂い、高邁な理想を語り・・・、高杉か竜馬か、はたまた近藤か。照明器具一個からイマジネーションは時空を駆け回るのです。

『和』の使い方( 石富邸 7)

和ゾーンの植物をご覧いただきながら和の話を少しだけ。

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日本にはもともと和風という概念は存在していなかったわけでして、日本人の暮らし方住い方が欧米的になったときに、いつの間にか消えてしまった昔の庭を、懐古的に和風の庭と称したのです。で、その現代人が懐古する和の庭は、今大半の人がイメージするより自由でかつ新しもん好きでアバンギャルドでした。

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例えば水戸藩の屋敷だった小石川後楽園などの大名庭園にはソテツやトウジュロやバショウ(バナナ)が植わっていて驚かされます。近年になって植えたとすればあまりに乱暴なことなので、おそらくは江戸時代にも植わっていたのでしょう。薩摩や奄美から船で運んできたのでしょうからこれはそうとうに酔狂なことです。

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日本で一番有名な庭、京都の龍安寺の石庭はよく宇宙的とか言われますが、ガーデンデザインの視点で見ると洒落っけの宝庫、つくり手の山水河原者がにやっと笑っている様子が、数百年経った今でも目に浮かぶのです。どこに洒落っけがあるのかは長くなるのでまたいずれ。

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後楽園や龍安寺に限らず、歴史的な古い庭を巡ると、必ず何か仕掛けがあります。そこを訪れた人を驚かせたり唸らせたり和ませたりする罠が、庭の随所にちりばめられているのです。
いろんな方法で人の心を動かそうとする。これですこれ、観る人の気持ちを虜にして、揺すって、インスピレーションを与えること、これが古来からの日本の庭の主軸となる価値観なのです。そのために珍しい植物やガーデングッズがあれば取り寄せ、庭の仕立てに、縁側に座って語れるようなネタを潜ませておく。例えると猿之助歌舞伎や、テレビで言うと紳介やさんまのトーク番組みたいにエネルギッシュでフレッシュな場所が日本庭園なのです。

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であれば、生活様式が洋になった今、本来日本人が持っていた庭の価値観を継承するならば、和をインスタレーションとして使うという感覚を持ってもいいんじゃないかと考えるのです。・・・つまり「和室の前だから和風に」という様式からの入り方じゃなくて、和を使うことで幼い日の記憶を呼び覚ましたり、歴史に思いを馳せるきっかけを作ったり、和テイストで何らかのインスピレーションを与えたり、そういう気持を動かし心に働きかけるために和を織り込むという使い方です。今は建物も庭もベースが洋ですから、かえって和は面白く使える。外国人が浅草で浴衣を買って帰って、リビングにタペストリーみたいに飾っている感じ、自由闊達に自由奔放に和を使いこなしましょう

過ごす場所の目隠しと見晴し( 石富邸 8)

和室前のアプローチガーデンに引き続きまして、今度はリビングの外です。
過ごす場所にしたいというご希望で、ウッドデッキをイメージされていました。空中に突き出る形で広くデッキにする方法も検討しましたが、費用対効果も考えて、コンパクトに、でも楽しみが広がるように、デッキに加えてバーベキューテラスを提案しました。

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アプローチガーデンは情緒を楽しむ場所で、こちらは過ごして楽しむ場所です。過ごすために欠かせないのが適切な目隠しで、その位置と高さと強さ(目隠しの度合い)をどうするかはいつも慎重に考える点です。庭に出て立っているときと座っているとき。それと部屋の中にいるときの快適さを考えて決定します。
今回は道路を挟んだ高台に貸し駐車場があって、そこからの視線で、庭で過ごすどころかリビングのカーテンを開けられない状態でした。それもご覧のように仕上がって問題解決。

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目隠しと見晴し をどう確保するかが、庭やリビングの居心地を良くするための大事なポイントなのです。

さっ、今日も張り切って設計ワールドに突入です。ここんところ、秋のせいでしょうか、設計に入り込み過ぎてなかなかはかどりません。入り込み過ぎるというのは「こうすればもっとよくなるんじゃないか。こういう考え方もありなんじゃないか」と何度も修正を繰り返す状態で、そのつど仕上りは良くなるのですが、切りがなくなってなかなか終わりがやってこない。「あっまただ」と状況を察知した妻からは「もっとサラッといきなさいよ」とクレームが入るし、そうすると意地を張ってますます奥深く入っていきたくなってしまって。
時間がかかってしまうのはご容赦いただいて、まあ、自分で納得できるところまでやる、私にはそういうやり方しかできないので・・・。「いいんだよ、思う存分のめり込んで、お客さんの人生が変わるくらいの提案をしようよ」と自分を励ましながら、さっ、設計設計!

リビングを外に広げる感じ( 石富邸 9)

「私はあと何回桜を観れるだろうか」先日E&Gアカデミーの生徒さんたちと話していて、ふと口をついて出た言葉です。47歳の秋、妻と一年がやたら早く過ぎて行くようになったと、トホホな感じと焦りが入り交じった空気を共有することもしばしばなこのごろ。これからガーデンデザインを 音符お腰に付けたきびだんご音符 にして社会に旅立とうという希望に目を輝かせた若者たちがまぶしくて・・・。な~んて年寄り地味ている暇はないのです。設計設計!庭のプランを楽しみに(気長に)待っていて下さるお客さま方、ひとつひとつを丹念にやってますんで、もうしばらくのご辛抱を。
どうもいかんことですなあ。昨日からやや感傷的になっているのです。・・・秋ですねえ。まっ、秋は秋を楽しむことにして、今日の設計室のBGMはミッシェル・ポルナレフにします。

で、石富さんちのウッドデッキです。庭の奥行きが2メートルくらいなので、欲を言えばもう少し広くしたいということで、空中に突き出すようにつくることも検討しましたが、室内とのバランス、コスト、過ごし方を検討した結果、ご覧のように今の広さを一杯に使うことになりました。ややコンパクトですけどリビングから見ると部屋が外にグンと広がった感じで、ここにベンチとテーブル置いたら特等席の出来上がりです。

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このようにリビングの外にあまり奥行きが無い場合、ウッドデッキや庭を持ち上げたテラスにすれば、階段をつくる必要がなくなるので面積を有効に使えます。それと外のフロアーレベルが室内の床に近くなることで、部屋が広くなった感じも出て、庭をつくるというよりも部屋を広げる感覚でイメージするといいでしょう。こういう場所を「狭いから」とあきらめてただの通路にしてしまっているケースが多くて、いつも残念に感じているのです。たとえ1メートルでもリビングが外に広がれば、家族が集う場所に屋根の無い特等席ができあがって、いつでも外の空気を感じられる生活が手に入るのです。高機密高断熱の住宅だからこそ、気温の変化や風や、今だったらキンモクセイの香りに気が付く、そういう場所が必要だと思うのです。

囲炉裡とシエスタベンチ( 石富邸 10)

ウッドデッキの奥、ダイニングルームの外がバーベキューテラスです。テラス全体を嵩上げして部屋から一段で出られるようにしてあります。デッキからも一段。
炉はいつもの円形ではなくて三方から火を囲む形です。

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一番奥のベンチ(シエスタベンチと呼んでいます。つまり昼寝する場所)が気持いいんですよ。バーベキューしなくてもここに座るといい風が通り抜けて、ゴロッと横になれば気分はスペイン人です。仕事も時間も多少の悩みもぜーんぶそよ風に飛ばされて、心身共にリラックスできるのです。

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また1か所、家族で火を囲む場所が出来上がりました。囲炉裡を楽しむ家族、いいですよねえ。「きっと何があろうと幸せを育て維持できる」囲炉裡をつくればつくるほど、そういう思いが自分の中で確信めいてくるのを感じています。


庭の勉強は和から始めましょう( 石富邸 11)

石富さんちの最終日、デッキ・テラスゾーンの植物といつもの船舶ライトです。

ヨーロッパゴールド
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グリーンコーン
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ブルーエンジェル
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トキワマンサク
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ハナミズキ
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今回は久しぶりの和風仕立てで、設計施工ともに楽しませていただきました。楽しんだと言っても、それは庭屋の端くれとして「変な仕立てはできないぞ」という緊張感と「ありきたりにはしたくない」という気負いと、そして普段はそれほど強く意識しない 情感 をかき立てる場所にしたいという・・・和の庭となるとこのようにやや構えてしまうのは、私がその昔、庭の勉強を和から初めたからかもしれません。教えを乞うた造園家の先生方に添削されているような気がして、ダメ出しされそうなプレッシャーが付きまとうのです。
ガーデンデザインを学ぼうとするときに、やはり和の庭から始めるべきだと思っています。先日おじゃましたE&Gアカデミーの生徒さんたちにも伝えたいことで、機会があればお話しようと思っていますが、きちっとつくられた茶庭や坪庭や石庭からは、庭づくりの基本や作法はもちろん、それ以前の庭って何なのかとか、庭を創造するという作業の本質的な事柄がこれでもかと迫ってくるのです。そしてそれらの事が、現代の庭、家族が楽しむ場所づくりにもそのまま使えます。
連日の設計作業のほとんどは洋風、あるいは今風ですが、和の知識抜きでのガーデンデザインでは片手落ちになってしまうと思うのです。例えば、街でジュラストーンの乱張りをよく見かけますが、まともに張れているところがほとんどないのが現状でして、これは和風の庭では考えられないレベルの低さです。いくら洋風だといっても乱張りは乱張りです。何でもありではいけません。ほんの一時期でも和の庭で延べ段や石組みや鉄平石の乱張りを経験した職人さんは、洋風の石でもきちっと理にかなった仕上げをするものです。内路地外路地、つくばい、灯籠、飛び石の打ち方、庭木の配置、見せ場のつくり方、軒打ちの木、垣根、州浜、流れ、回遊式・・・。これら全てがファミリーガーデンでも生かされますし、イングリッシュガーデンにも応用できます。

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格式張って取っ付きにくい和の庭ですけど、京都や奈良を歩き回ると、だんだん庭が入って来て(身体に馴染んでくる感じ)、気がつくとどっぷりとその世界にひたっているものです。「深いなあ」と一言の感慨で片付けるにはもったいない。ちゃんと知識として感覚として自分の中に蓄積しておきたい、そんな魅力があります


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