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ウリンを使った玄関まわり-濱田邸
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ウリンを使った玄関まわり-濱田邸

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2軒の入り口をひとつにする( 濱田邸 1)

さあ、新シリーズを始めましょう。
今回は外構のリフォームで、隣り合わせの2軒の家の入り口をひとつにするというものです。ビフォーはこうなっています。

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左側の家が依頼主、濱田さんのお宅で、右側の家にご両親がお住まいです。よく「スープが冷めない距離」と言いますが、まさにそれですね。2世帯住宅もいいですが、こういう住まい方もいいですよね。ひとつの理想型です。

ご依頼は2軒の入り口、玄関アプローチを使いやすく、見栄えよく、かつ統一感を持たせたいということでした。ぼくとしては2軒で2世帯という設定がとても素敵に思えて、ワクワクしながら「さあて、どういう仕立てにしようか」としばらく考えて「少々大掛かりな工事になりますが両方でひとつの入り口というのはどうでしょうか」と提案してみました。するとそれでOKとなりまして、できあがったプランがこれです。

Plan A

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住宅外構というのは、家に洋服を着せるようなものです。一般的には既製の服で不自由なく過ごせますけど、せっかくのマイホームですから、できれば注文服を着せたいですよね。
しかも今回のような場合はオートクチュールじゃないと。
「アプローチの仕立て方によって両家の暮らしがさらに楽しくスムーズになる」という思いから、気合いが入りました。

極力アルミ製品とコンクリートを使わないで、外構というより前庭のような雰囲気で、そして2軒が同じ階段を使って家に出入りする。同時にお互いの家を気軽に行き来するというイメージで設計しました。

明日は違う素材で雰囲気を変えたPlan Bと、さらにご検討いただいてできあがったPlan Cをご覧いただきます。

迷ったときは突っ走る( 濱田邸 2)

昨日のPlan Aをご覧いただいて、全体の仕立てはとても気に入っていただけましたが「床面に使っている自然石の乱張りがちょっと派手なのでは・・・乱張り以外の方法は何かありますか」とのこと。

実はPlan Aを描きながら、チラッと「走りすぎているかな」という気がしていたんですね。よくあることなんです、気合いが先行してプランに力が入りすぎること。そういうときにどうするかというと、そのまま突っ走って、走り切ります。
途中で躊躇するとダメなんですね。ぼくの癖というかA型の特性というか、ちょっと腰が引けると全部がガタガタに崩れてしまうことがあるんですね。だから一瞬の迷いはササッと頭から消して、自信満々で描き切ってしまうのです。

いったんそうやってできあがると、そのプランを変更することも自信満々で仕上げることができます。これが床面の素材を自然石からレンガと洗い出しコンクリートに替えた変更プランです。

Plan B

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素材の違いだけでずいぶん印象が違うAとBを、じっくりと検討していただいて、最終的にはAをベースとしたプランになりました。

Plan C

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もう一度昨日のPlan Aをご覧ください。

Plan A

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そして再度Plan C。

Plan C

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いい感じに力が抜けたでしょ。
やっぱり最初は走りすぎていましたね。でもあそこで走り切らなければ、こういう形は生まれなかったのです。もっと修行を積めば、この行きつ戻りつが必要なくなるとも思うんですけど、まあ今のところ、迷いを消し去って突っ走ってしまう自分を良しとしときます。

明日はビフォー・アフターです。
一瞬でイマジネーションが具現化するという、いつもながらの楽しい仕上がりになっていますよ。乞うご期待。

仕立て直しで2軒をつなぐ( 濱田邸 3)

2世帯・2軒の玄関アプローチをひとつにする外構リフォームです。

Before 1

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After 1

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既存の階段と塀とフェンスを取り壊しての大掛かりな仕立て直しでしたが、

Before 2

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After 2

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どうです、いい感じでしょ。

Before 3

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After 3

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親世帯と子世帯、

Before 4

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After 4

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2軒の家が玄関アプローチでひとつにつながりました。

Before 5

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After 5

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明日もビフォー・アフターをご覧いただきます。

垣根(フェンス)を取っ払う( 濱田邸 4)

ではもう少し近づいていきましょう。

Before 6

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After 6

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階段を上がっていくと、左側が子世帯。

Before 7

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After 7

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そして右側が親世帯の玄関です。

Before 8

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After 8

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振り返ると、こうです。

Before 9

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After 9

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二軒を隔ててたフェンスもなくなって、

Before 10

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After 10

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両家共有の、前庭のようなアプローチになりました。

垣根(フェンス)を取っ払うと、ものすごく自由な関係性が生まれるんですよね。
今回のように親子じゃなくて、他人同士であっても、フェンスを無くした方がいいんじゃないかなあって気もしてきます。田舎の家ってそうですからね。裏の畑を通ってご近所さんが縁側からやってくるような。いいと思うんだけどなあ。

レノンが降りてくる( 濱田邸 5)

あらためて、道路からの全景をご覧ください。
意識したのは家2軒に見合うボリューム感と左右対称形と・・・。

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使いやすさや、見た目のバランスや、図形的な効果や、植物の生長や、いろんなことをいっぺんに考えながら設計するんですが、その様々な要素、散らばった点が、一瞬でつじつまがあって線になる瞬間があります。「レノンが降りてくる」と呼んでいるんですけど、快感なんですよねえ、その瞬間が。白い紙の上に散らばっていた砂鉄が、裏から当てた磁石によって一気に美しい磁場を描くような。

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今回もレノン様が降りて来てくれました。

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理屈や条件をこねくり回した末にやってくるインスピレーション。ウ~ン、快感だなあ。

アイアンウッド( 濱田邸 6)

住宅外構の設計では大概の場合「いかにしてコンクリートとアルミを使わずに構成するか」という思考になります。その理由はいろいろとあるんですが、要するに「味気ないから」と言ったらいいでしょうか。

世界中の街並を眺めたときに、日本ほどコンクリートブロックとフェンスや門扉などのアルミ製品を多用している住宅地はありません。家を建てたら必ずそれらで外回りを固めなければならないという条例があるかのように、どこもかしこも、これでもかこれでもかとコンクリートとアルミを使っています。変ですよね。

東海大学助教授の葉千栄さん(中国との話題になると時々テレビでコメンテーターをされています)にMXテレビの[アジア電子台」という番組に呼んでいただいて「日本の街並と庭について」というテーマで話したときにその話題になりました。
葉さんは中国の演劇の使節団で世界中を回って、そして日本に来て思ったそうです「日本の総理大臣はコンクリートメーカーの社長に違いない。そして大臣クラスにはアルミメーカーの社長がいるはずだ。じゃなかったら、こんな街並はありえないよ。これは国の権力者によってできあがった風景なんだ」と。葉さんらしい皮肉まじりの冗談だったんですが、まあ、当たってるようなところもありますよね。かれこれ10年前のお話です。

ぼく自身、もともと疑問に感じていた部分だったこともあって、大盛り上がりして、それ以降ますます「できるだけコンクリートとアルミを使わない外構、街並づくり」に意識が向いて行きました。

今回の外構リフォームでもそうで、既存のコンクリートブロックと階段、アルミフェンスを排除するところからイメージが始まったのです。
では何を使って再構成するのか、というと、天然素材です。コンクリートとアルミのかわりに天然石とアイアンウッドを選択しました。

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アイアンウッドとは南洋材と呼ばれるウリン、イペ、ジャラ、バンキライなどの硬い材木のことで、海沿いのボードウォークなどに使われていてる、日にやけて灰色になっているあれです。

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それまで日本で使われてきたマツ、スギ、ヒノキに比較すると、重くて硬くて、腐食の心配がほとんどありません。
ただ、材木なのに腐らないという特性と冷たい質感に違和感があって(ぼくの頭はアイアンウッドのように硬いので)ウッドデッキやベンチなど、人が触れる構造物の場合は木の風合いを感じられる、従来のレッドシダー(スギ)などを使うようにしています。

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このアイアンウッドが、ここ数年で極端に価格が下がってきたんですね。値段が下がるのはいいことのようにも思いますけど、反面嫌な予感も過ります。むちゃな森林伐採が進んでいるんじゃないか・・・。そこまで考えると身動きとれずに立ち尽くしてしまうので、今は便利に、適材適所で使っていこうと思っています。

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天然木なのに腐らない、スッキリとした仕上がり感のあるアイアンウッドは建築家の方々にも大人気で、建築雑誌や住宅展示場でもよく見かけるようになりました。

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腐らないとはいうものの天然の木材ですから、多少は反ったりひび割れたりします。そして色は灰色になってきます。そうなったときのアイアンウッド、それはそれでいい感じなのです。
ひび割れて灰色になることを湘南の大工さんは[銀色になる」と言っていて、それが湘南らしくていい、という価値観を持っているようです。日にやけて銀色になった渚のボードウォーク。いいなだなあ、そういうの。

ご主人のセンスが光りました( 濱田邸 7)

左右対象に建てたアイアンウッドの門塀に、両家それぞれの表札・ポスト・インターホンが設置してあります。もちろん配置も左右対称です。

このガラスの表札と、前面の蓋にガラスを使ったポストはご主人の選択です。ナイスです。

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こういう小物のチョイスで全体の雰囲気が大きく変わるものです。そして今回のご主人の選択、センスの見事さには唸ってしまいました。
室内のインテリアや置物からも「ただ者ではないな」という気がしていましたが、あらためて感心させられました。

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こちらのご主人のように、自分の美意識、美的感覚の中で暮らしている方に遭遇すると、心底「かっこいいなあ」と感じます。それはぼく自身がかすかなコンプレックスを感じていることだからです。
「美しく暮らしたいなあ」と、常にそういう気持と、時間に追われて、美的感覚どころか部屋の掃除もままならない現実。・・・愚痴は言うまい。

照明はいつものマリンライトを3灯。夜の感じがまたいいんですけど、それは後日のお楽しみということで。

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センスよく、自分らしく、美しく暮らす能力。大事なことですよね。

図形が生み出す心理効果( 濱田邸 8)

2軒の家にそれぞれあった階段を取り壊して、ひとつの大きな階段にしました。そしてセンターに木を植えて、階段の地中で導線がクロスするという設計です。
こうすると、子どもならSの字に歩きたくなるような、そんな楽しさ、両方の家のワクワクする行き来が連想される気がするんですけど、いかがでしょうか。

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上から見下ろすと、公園のようでもあり、2軒共有のパティオのようでもあります。

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使用した石材はエスビックの桂林(シルバーベージュ)です。

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導線がクロスしたり円形だったり、そのことで生まれる楽しさと両家の交わり感。図形によって生まれる心理効果って面白いです。

静かなイメージの庭木( 濱田邸 9)

今回植えた木は3種類。

ヤマボウシ/落葉樹
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アオダモ(トネリコ)/落葉樹
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シマトネリコ/常緑樹
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お客さまからのリクエストで、比較的静かな、落ち着いたイメージの木が並びました。外構全体の仕上がりと相まって、いい感じです。ポスト・表札と同じく、濱田さん、センスいいですねえ。

工事完成後、さっそくご主人が草花の植え込みをされていたんですが、木の根元はまだこれからです。奥様によると「もう撮影するの?」とおっしゃっていたそうで、もうすこし待って草花が茂ってからにするべきだったと反省いたしました。
来年の今頃は、今は土のままの植え込みが巨大な花かごのようになっていることでしょう。

情緒を感じる灯り( 濱田邸 10)

辺りが薄暗くなってきた頃に、お嬢ちゃんが出てきてひとり遊びを始めました。どうやらこの階段がお気に入の場所のようです。

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照明器具が効き出して、

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いい感じに暮れなずんできました。

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ななんかグッと来ますよね、「カラスが鳴くから帰りましょ」のこの時間帯。豆腐屋さんのラッパの音、家々から漂う香りで夕げの献立がわかるんですよね。お嬢ちゃんも何となく、夕暮れが醸し出すそういう異次元空間みたいな雰囲気に惹かれて、外に出てきたのかもしれませんね。

色付きはじめた庭木と、ピンク混じりの石と、マリンライトの灯り。この電球は蛍光灯やLEDと違って半年に1回くらい球切れしますけど、でもいいんだなあ、マリンライトの灯り。情緒があります。

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明日は濱田さんちの最終日、夜の様子をご覧いただきます。

最後に撮った1枚( 濱田邸 11)

今日でこのシリーズは終了です。
もう一度 Before をご覧ください。

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「子世帯と親世帯、2軒の家をひとつに繋ぐ」という設計者冥利につきるお題をいただいた今回の仕事でした。楽しかったなあ。

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世の中には家族関係が不幸の原因だったり、血縁者だからなおさらに不仲になるというようなこともあります。そういう話や事件を聞く度に「悲し過ぎるなあ」と思うのと同時に、自分の親と妻の親への感謝の気持でいっぱいになるのです。

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家族親族の関係をいい具合に維持することはそれなりに大変なことなのかもしれませんね。親子ゲンカ、夫婦ゲンカ、兄弟ゲンカをすることもありますし、困った時は頼りにしたりされたり、それが親戚を含めた家族関係。でも何があっても絶対に消えない思いは「みんな幸せに暮らして欲しい」ということですよね、愛情。その気持こそが親から受け継いだ最大の財産だと思うのです。だから、ぼくや妻や兄弟たちに、当たり前なこととして、強くそういう気持を持たせてくれた親と、亡くなったじいさんばあさん、可愛がってくれたおじさんやおばさんたちにも、心からありがとうと言いたいです。

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世の中を見渡すと、家族意識というか親族への愛情が薄いと、なかなか幸せな家庭は築けないんだなあと感じます。感謝感謝です。そしてその感謝の分、子どもたちにもしっかりと伝えたいなあ「家族って、人生で一番大事な宝物なんだよ」って。

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親世帯との理想的な関係をイメージしてぼくに設計を依頼してくださった、濱田さんの素敵な思いに刺激されて、我が親族、家族のことを振り返る機会を得ました。濱田さんにも感謝感謝です。

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この日、最後に撮ったこの1枚、気に入っているんですよ。家族みんなが毎日ここに帰ってくるんですよね。思いっきり自画自賛ですけど「いい外構ですよ!」階段の向こうにものすごく大きな幸せが待っている、そんなふうに見えるでしょ。ここには幸せな家族が暮らしているなあって。あぁ、何だかジーンとこみ上げてきました。家族っていいですよね。

濱田さん、素敵な仕事をさせてくださって、ありがとうございました。


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