庭を整えることで家の暮らしが整ってゆく、家に満ちている幸せが庭へと溢れ出してゆく、この2つのパターンによって『庭スペース』が『庭』になります。湘南の高台にあるお宅のガーデンリフォームが完成。今回は後者、家に満ちた幸福感が庭へと広がりました。
庭スペースを庭にする(横須賀市 岡山邸 その1)
Before はこうでした。
新築時に広めのデッキを設置し、それっきりほとんんど庭として機能しないまま十数年間が経過したそうです。訪問した印象では、室内での暮らしが楽しすぎて、庭抜きでも幸福な暮らしが成立していたことがうかがえ、それはそれで素晴らしいことだなあと感心し、穏やかにしてにこやかなご夫婦をリスペクト。同時にその充実の暮らしを庭まで広げようという意欲といいますか、発想力といいますか「もっともっと」と人生を理想型に組み立ててゆくパワーに、大げさではなく、感動いたしました。
さて、ぼくの出番。ではどうやったらこの場所を、室内と同等の幸福感に満ちた庭にすることができるでしょう。設計的に必要な事柄は次の通りです。
◇ 目隠しをする
◇ 場に意味を持たせる
◇ 立体的に構成する
◇ シーンを思い浮かべる
◇ 歩く場所と植える場所を明確にする
◇ 部屋からの眺めを整える
◇ 照明器具を設置する
◇ 好きな植物で構成する
これらを踏まえつつ、既存のデッキを活かしながら、あの手この手で『理想の庭』に仕立て上げた2つのプランをご覧ください。
Plan A
アプローチ側
デッキ側
Plan B
アプローチ側
デッキ側
設計の解説を始めると果てしなく長くなるので、それは省略するとして、でもそれぞれにひと目で庭としての楽しさが感じられることと思います。
ご夫婦は目からウロコが落ちたものですから庭への視力が増して、AとBそれぞれのいいとこ取り、プラスとめどなく広がるイマジネーションを加味した変更プランを重ねて施工へ。ちなみに、打ち合わせを重ねるに従ってお二人の庭への意欲が増大したものですから、アプローチ部分はプランを参考にしながら、ご自分たちで手作りすることになりました。
ではビフォー・アフターを。毎度のことながら劇的ですよ。
ほとんど放置されていた庭スペースが幸福な生活空間に変貌し、ご夫婦は大満足をしてくださいました。