縁側と目隠しで庭が出現(横浜市 磯子区)その1
イメージできたらできたも同然。


家を建てるというのは大変な作業ですよね。土地を探し、建築業者を選び、基本設計から間取り、インテリアコーディネートと打ち合わせを重ね、ようやく完成したら今度は転居手続きと引越しの段取り、多くの方がもうクタクタの状態で、あれ、ところで外はどうするんだったけ、となることもしばしば。
森さんの場合もそうで、建物以外の土地は漠然と駐車スペースが2台分(1台は来客用)、ビルトインガレージからご主人の趣味であるバイクを出し入れする通路、あとは玄関先に樹木があれば、くらいにイメージしていたようです。
これが Before です。


「このままではコンクリートの地面に家が建っているだけの状態になってしまう」、足場が外れた段階でそう気づき、それでは嫌だと、さりとてどうしたらいいのかわからないままうちに来てくださいました。ぼくは図面を拝見し「あのお、庭は必要ないのでしょうか」とたずねたところ「庭ですよねえ、そうなんですよねえ、欲しいけど、無理でしょ」という反応。「車2台とバイクの出し入れができればいいわけですよね。それにこのままだったらガレージ前にあるリビングのカーテンは締め切ったまま暮らすことになる気がするんですけど」と話し、ラフスケッチを描きながらいくつかの考え方をお伝えしたところ、はなっからあきらめていた庭出現の可能性に、俄然会話が弾み出しました。
最初にお出ししたプランをご覧ください。フロントヤードは木製パネルと植栽で前庭感を出し、土間コンクリートはナチュラルな印象になるよう洗い出し仕上げにしました。問題のバイクの出し入れを確保しつつ、縁側で出やすくし、リビングの目隠しを設置してその内側を「過ごす庭」に、さらに奥のスペースは家庭菜園になっています。




これをもとにしてご要望をうかがい、細部の打ち合わせをし、変更プランが出来上がりました。




ご夫婦はもうワックワクです。ではビフォー・アフターをご覧ください。






























玄関前は建築のポーチと同じタイルで道路までつなぎ、タカショー e-ウッドパネルで立体的にし、枕木に船舶ライトとガラスを使った表札を設置。差し色の赤いポストがアクセントになっています。



ポーチの脇にはヤマボウシと花だんがあり、明るい雰囲気と、出入りの際に季節を感じられるように。

駐車場の土間コンクリートは、洗い出しで柔らかい印象に仕上がりました。



ご自慢のガレージです。男子の憧れ、赤いツールボックスがカッコいい。



このように、椅子をずらせば楽々とバイクが通れます。

この子たちもバイク好きになるんでしょうねえ。ステキなお父さんです。




庭は木工フェンスで目隠し、これでリビングのカーテンも開けておけます。

フェンスを背中にして寝転がれる大きさのベンチ、頭上にはパーゴラがあり部屋っぽさを演出。


庭の入り口は少しフェンスを折って庭にいる時の目隠しとし、その手前にブルーエンジェルと草花、内側には明るい緑を一年中楽しめるシマトネリコを植えました。


地面はトラバーチンの板(エスビック アナトリア)を使い、バイク通路としての耐久性と滑りにくさを。この石材は遊び場としても最適で、夏は裸足で歩くととても心地いいのです。

それを庭の奥にある菜園へと伸ばしました。飛び石部分は固定していないので、野菜の育ち具合によって移動できます。


建築段階で漠然と庭をあきらめていた森さんご夫婦に、笑顔が溢れる庭空間が出現。いやあ、あの時ふと浮かんだ不満を胸に、うちに相談に来てくださって、本当によかった。


続きはこちらへ⇨⇨クリック⇨⇨『縁側と目隠しで庭が出現(横浜市 磯子区)その2』をご覧ください。