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パーゴラのある庭-上野邸
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パーゴラのある庭-上野邸

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湘南某所“いい感じ”のご家族です( 上野邸 1)

オープンガーデン、JAG、ジョン・レノン・ミュージアムと続いて、久しぶりのお庭紹介です。
今回ご紹介するお宅は湘南某所のいい感じの中古住宅を買われて、それをさらにいい感じにリフォームした、いい感じのご家族、上野さんちです。打合せから施工、完了そして撮影まで、ご夫婦、子供たち、お母さまからずっと“いい感じ”を感じていました。ご家族全員が穏やかで、明るくて、自然体で、イマジネーション豊かで。わが家に欠けていることが全てそろっている感じがして。変な話ですけど「そうか、こんな風に生活してもいいんだ」と今さら気が付いたような次第でして。
わが家はもっとガシャガシャしていて、構成員が全員何かに向かって戦闘体制になっているような感じがあります。これはきっと、妻も私も自営業の家に生まれ育ったせいでしょう。自営業の家庭というのは365日、常に生活と仕事が混ざり合っていて、つまり生活イコール仕事なのです。おかげで2人とも仕事好きというか、いつのまにか休日がなくても平気な生活になっています。仕事をがんばって、仕事で気分転換して、仕事で遊ぶという感じです。そして時々力つきて倒れる。お互いに相手が倒れていても、それはバランスを回復するためのインターバルなんだとわかっているので、まったくノータッチです。こないだ私が疲れきって「ちょっと寝るわ」と言って昼間からビールを飲んでダウンしていた時も、妻はスタッフに「社長は今倒れてるけど、しばらくほっとけば自分で這い上がってくるから大丈夫よ」と話していたそうです。走っているか倒れているか、それがわが家の生活パターンなのです。
そんなうちの感じと対極にある上野さんご一家の穏やかで明るい日常、明らかにその方が賢い生き方だと感じました。で、そう感じたらどうするべきか、まず私自身が自己変革してガシャガシャのわが家に“いい感じ”の風を呼び込もうと決意しました。穏やかで笑顔か絶えない岩渕家を目指そうと思います。お客さまとの出会いでこういう気持になれることが、この仕事のいいところ。庭のデザインは私が提供して、お客さまからは家族のあり方をインスパイアされる、そうやって進化していくわが家の歴史がまた次の庭の設計に生かされる。このサイクルを崩さないで続けていけば、少しはジョンとヨーコに近付けるかもしれませんから。

そんな上野さんちの庭は、前にお住まいだった方が残していった和風の木や石をご主人ががんばって処分して、半分くらいはさら地のようになっていました。「さて、どんな庭にしましょうか?」あまり具体的な構想が出てこなかったので、叩き台として2プランをご覧いただきました。

Plan A

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Plan B

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これをもとに検討していただいて、できあがった Plan C は明日。

プランが決まりました( 上野邸 2)

Plan C

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Plan A をベースに検討を進めていただいて、決定したのがこれです。施工は庭全体ではなくてデッキとパーゴラとまくら木スタンド、そして照明器具で、あとはご夫婦で楽しみながらつくっていくということになりました。
このパターン好きです。職人さんにやってもらった方がいい場所だけ施工して、あとはご夫婦の休日の“お楽しみ”として残しておく。そうすると私やうちの職人さんでは考え付かないような展開が始まって、そこに出現する庭はうちとお客さまとのコラボワールド!後日紹介します、上野さんご夫婦がつくり出した 湘南ロハス なファミリーガーデン。
明日は好評の、ビフォー・アフターです。

いやあぁ、昨日、そして夕べは暑かったですねえ。でもまだ夏バテしているわけでもないし、気持いい暑さでした。今朝も引き続き晴天の予報で、ホントは現場に行って大汗流したい気分ですけど、グッとこらえて、コストコで買ってきたコーヒーを沸かして、頭を設計モードに切り替えて、さっ、机に向かって集中集中。今日もいち日がんばりましょう!

ワーカホリック( 上野邸 3)

Before

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After

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Before

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After

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Before

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After

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ビフォー・アフターを並べるたびにつくづく思います。ビフォーの状態で多少木や草花でも植えればいわゆる庭にはなります。それ以上のイメージがわき上がってこない人にとってはそれで十分といいますか、それ以外の庭世界、庭のある暮らしと一生出会うことなく人生を終えるのです。もったいない、実に残念なことです。これは庭だけでなくて生活全般にいえることで、イマジネーションの貧困は(経済的にではない)貧困生活につながるのです。「イメージできたら出来たも同然」という私の口癖は私の自分自身に向けた自戒を込めた語りかけなのです。

レッドシダー or ウリン( 上野邸 4)

上野さんちのウッドデッキです。大きな縁側、リビングが外に広がった感じ、屋外子供部屋、そんなイメージで設計しました。いつも通り素材をどうしようかと考えたときに、浮かんだ選択肢は“手入れが必要だが木の風合いがあるレッドシダー”と“手入れいらずで耐久性に優れたアイアンウッド(ウリン)”でした。今回は上野さんご一家の“いい感じ”から、時間とともに風合いを増すレッドシダーを選択。2年に一度の手入れもみんなでワイワイと楽しく、そんなシーンが浮かんできました。

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ウリンかレッドシダーかというときに、もちろんケース・バイ・ケースですけど、圧倒的にレッドシダーを選ぶことが多い。それは木なのに腐らないというウリンの利点に、何となく、予感のようなレベルでの根拠のない不安といいますか、うっすらとした違和感を持っているからです。たぶん私が山奥の森で育ったせいでしょう。日本の森に腐らない木は存在しません。全ては朽ち果てて土に帰り、そこに生態系が生まれて森はイキイキと輝き続けるのです。ほっといたら腐ってしまう木を長持ちさせるために、工夫をし、手入れをしたり補修をしたり、そういう時間の使い方こそが生活で、そういうレッドシダーとの付き合い方、そこに森で暮らしているような豊かな感性を持った家族が育つのではないか、突き詰めるとレッドシダーを選択する意味はそういうことなのです。
でもウリンもいいんですよ、大桟橋の感じ。日ざらしで銀色になった木肌は湘南ロマンを感じさせます。レッドシダーがナチュラルでファミリーガーデン向きなのに対して、ウリンは現代的な建築素材、大人の材といったところでしょうか。

パーゴラの威力と魅力( 上野邸 5)

上野邸の5日目はパーゴラです。最終プランではパーゴラを建物から離して、半分はデッキ上に、半分は庭に出るように配置しました。その理由は後ほど。

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私は仕事上このパーゴラを何の疑問も持たないで使っていますが、一般的にはそう頻繁に出会うことのないガーデンアイテムかもしれません。雨避けになるわけではないし、相当植物が絡まなければ日よけにもならないし、藤棚としてはきゃしゃな感じがします。では何のためにある物なのか、設計者はどういう意図で設計に組み込むのか、そのことをお話しします。
A型なので、パーゴラの起源までさかのぼってから始めたいところですが、妻の「設計が溜まっているのにまたブログやってる」という視線がチクチク刺さるので、・・・結論から入ります。パーゴラを使う意味は空間を構成する、空中を仕切ることで立体的な認知空間を生み出すということです。たとえば庭に家族が食事をするスペースを考えるときに、まずは平面的な場所を確保、ゾーニングをします。そこで終わりにすると大概失敗します。実際つくってからその場所にイス・テーブルを置いて座ってみると、何となく落ちつかない。その理由は場が平面的で、そこに座っていると、かくれたり寄りかかったり潜り込んだりという“ひそむ”要素がまったくないということ。空間的にスッポンポンだから落ちつかないのです。人間はアフリカのサバンナを悠然と歩くキリンやシマウマではなくて、草むらにひそんだり穴に潜って暮らす小動物に近いのでしょう・・・あっ猿か。木陰や岩陰や大木のほこらに隠れてくつろぐ猿なのです。そのスッポンポンな場所をどうやったら落ちつかせることができるかというと、手っ取り早くやるにはテーブルにパラソルを立てること、それだけでかなり居心地が良くなります。自分より高い物が頭上にあることで落ちつく。同じ意味で、テラスの脇にテラスに影を落とすような樹木を植えるのもいい方法です。これをさらに進めて行って、雑木林の中で食事となれば、気分は軽井沢の万平ホテルです。他に、特に目隠しが必要なくても背景にトレリスを立ててみるとか、イギリスのストーンヘンジみたいな感じでまくら木を立てるとか、いろんな方法があります。
このように人が集う、家族が過ごすという目的を持った場所をつくるときに平面に加えて立体的な空間構成をすることが重要で、パーゴラは単純明快にその役を果たしてくれる、うってつけのものなのです。で、話を最初に戻しますが、今回なぜパーゴラを、半分デッキからずらしたのか。それはデッキに縁側的な役を加えたかったからです。つまり、パーゴラの中心をデッキの端に持ってくることで、そこに腰掛けたり、そこから庭に出たり、近所の人が庭から入ってきたらそこに座布団を出して「今お茶入れますから」、そんなシーンをイメージしてのことでした。
こうして出来上がってみると、狙いはそこそこ成功した感がありますが、それ以上に予想外の効果を生みました。それは、庭(地面)部分に魅力といか力が出て、デッキ上と同じくしょっちゅう下に降りてガーデニングや、子供たちは泥遊びを楽しんでいる、そういう雰囲気が出たことです。あらためてパーゴラの意味、その威力と魅力を実感しました。

エクセレント!ご夫婦による設計施工です( 上野邸 6)

庭の通路や花壇はお客さまによる設計施工です。うちの仕事が完了した翌週からの週末のお楽しみだったようで、ご夫婦で整地をしたりレンガを買ってきて並べたり、その時のアットホームな風景が浮かんでくるような幸福感に満ちた仕上りです。

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水彩画を見るようなレンガの柔らかい揺れ方がいいです。
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ワンちゃんが柱の周りをクルクル走っているのを見てこの円形花壇が出来たのだそうです。
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目地には白砂利、花壇の内側は白い貝殻です。

こういう感じが、私にはなかなか生み出せません。どうしても理屈で固める癖があって、「レンガは・・・べきである」「なぜここは・・・なのか」「こうしなければ・・・に問題が生じる」そういうことを限りなく積み重ねていくもんですから、ついつい仕上りに隙がなく堅さが見えてしまうのです。こうしてそういった理屈を抜きにした、お客さまがイメージする世界がストレートに出現すると、脱帽。幸福な人が、無邪気に考えて、夢中でつくった満ち足りた世界がそこにはありました。
理論が先行するタイプのプロとしては、その理屈をさらに積み重ねていくことでこういう世界を生み出さなければならない、そういう新たな課題をいただきました。

さあ、ここからはなかなか難解かもしれません、まあ、軽く読み流してください。
最近自分の中に湧いてきたこの“新たな課題”いつかそれが目の前にやってきて、それを超えたときに何かが大きく変わるのだという感覚が、実は思春期入り口で、毎日取り憑かれたように絵を描いていた中学生のころからありました。でも当時それは遥か彼方の蜃気楼のように、もしかしからたどり着けるかもしれないけど、まあ無理だろうなあ、そんな感じで、それを目指したことはないし、まったくあやふやで小さいものでした。現在47歳で、気が付くと目の前に“それ”が見えている。行くしかないでしょう。そっちに向かいますよ。
とても私的世界のことで恐縮です。でももう少し続けます。
もともとこの課題を通り越したところにある世界に強く惹かれていました。画家でいうとターナー、彫刻家ではイサム・ノグチ、写真家では森山大道、荒木経惟、フォークシンガーでは高田渡、友部正人・・・くっ、暗い。あらためて暗い少年だったんだなあと思います。よくぞここまで社会に馴染めるようになったものだと・・・、いやほんとに。それはさて置き、一度徹底的に組み上げたものを蹴っとばして崩してみるとか、ゆさぶって落ちるものは全て落として完成させるとか、未完成を完成とするとか、アンバランスなバランスを追求するとか、理屈じゃない無心な世界を理屈を駆使してこねくり回して練り上げて生み出す、そういう能力を持った表現者に心を奪われてきたのでした。とうとうそのことがリアリティーを持った課題として浮かび上がってきた。そっちに向かうことに、ものすごい恐怖はありますが(よくわからないですかね)、もう立ち止まれない、立ち止まってはいけない気がしています。
ねっ、よくわからない話でしょ。何をこんなに力んだり興奮気味になっているのか。いうなれば、これは私の、私への宣言なのです。その引き金を引いてくれた上野さんご夫婦に感謝します。

まくら木スタンドの存在感( 上野邸 7)

昨日のパーゴラに続いて、まくら木も設計上とても重宝する素材です。写真のように立てて使うことで、アイストップとして、結界として、独特の強い存在感を発揮してくれます。

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まくら木を立てる場合の注意点をいくつか。まず重量がある物なので根入れをしっかりとして、基礎コンクリートを入れることです。その存在感故でしょうか、とても子供の興味を引くらしく、よじ上ったり体当たりをしたりするので、絶対に倒れないように施工する必要があります。ちなみに根入れの深さは地上に出ている部分の3分の1程度必要です。一般的にまくら木の長さは2.1メートルなので、最大に高くしても地上部分は1.6メートル、根入れが50センチ、それをきちっとコンクリートで埋め戻せばまず大丈夫です。

まくら木が持つ存在感には2つの要素があります。ひとつは単純にボリュームのある材木であるということ。人は材木が好きなのです。同じボリュームのコンクリートや金属や石材だったらとイメージしてみるてください・・・だめでしょ。やっぱりまくら木でないとこの感じは出ません。まくら木だからこういう使い方ができるのです。
もうひとつの要素は郷愁です。今や鉄道ではコンクリートのまくら木が普通ですけど、40年前、つくしを採ったり、手裏剣をつくるために汽車に釘を踏ませたりして遊んだ線路のまくら木はすべて木でした。それから踏切周辺の柵も使い古したまくら木に有刺鉄線をからめてあるというもの。このように40代以上の人にとってまくら木は、なつかしさを感じさせるのです。それと地方の人にとっては「この線路が東京につながっているんだ」という都会へのあこがれや、先に地元を離れた友人や恋人を思い起こしながら、まくら木をポンポン飛んで歩いた、そんなシーンがよみがえるかもしれません。
そういう意味では実際に使われていたまくら木がベストなのですが、3年前にちょっとした騒動があって、それい以来本物は超品薄なのです。それは“クレオソート騒動”です。新聞にいきなり出ました「ガーデニングブームで売れているまくら木には、クレオソートという発ガン性のある防腐剤が使われている」。追っかけるようにテレビニュースでも取り上げられて(当時は何にでもヒステリックに騒ぎ立てるような風潮がありました)、あっというまに市場から使い古しのまくら木が消えていきました。まあ、安全性が優先なので仕方ないとして、でも今考えても少々過剰反応だったのではという気もします。いやいや、でも安全のほうが大事です。
そんなわけで未塗装で未使用のまくら木が出回るようになりました。郷愁という点ではもうひとつですけど、でも時間が経ってひび割れたり反ったりしてくると、かなりいい味を出してくれます。たまに、最初から使用品のような雰囲気を出すためにキシラデコールのウォルナットを2回塗りしたり、角を削ってから使ったりもしますが、あわてなくても徐々に風合いを増して行く、そういう素材です。

現在出回っているまくら木の材質は、ユーカリ、ケンパス、バンキライ、クルミなどで、写真はケンパスです。ユーカリは黒いシミが出てくるし、バンキライはいつまでたっても堅い感じでアルミ製品のようで好きじゃないし、クルミは手に入りづらい、ということでケンパスを使うことが多いです。材質で気をつけなければならないのは、ガーデニング向けに生産されている“まくら木もどき”を使わないこと。見た目はまくら木でも、木が柔らかくて腐食が早い。土に埋まっている部分は一年でガサガサに腐ってしまいます。要注意。その見分け方は簡単で、持ってみて軽ければ偽物です。本物のまくら木は1メートル以上のものならひとりでは持ち上げられない重さがあります。偽物は軽々です。それから、ノコギリで簡単に切れるものは偽物です。本物はノコギリが駄目になってしまうほど芯が堅くて、切り口が鏡のようになります。
ついでに、まくら木を立てる場合のデザイン的なことを少々。まくら木はしっかりと垂直に立てないとお墓の卒塔婆のように見えてしまいます。それと規則性やリズムも大事で、そういったことを意識しないで使うと、墓標のような印象になってしまいます。卒塔婆とか墓標とか、縁起でもないことを言いますが、実際にそういう感じになってしまっているモデルハウスやレストランが近所にあって、そこを通る度に「せっかくのまくら木なのに残念だなあ」と感じているのです。この、使い方を誤ってバランスが崩れるとお墓関係にいってしまうのも、それだけまくら木が強い個性を持っているということ。そしてまくら木の持つ郷愁もデザイン的なバランスを失うと、幼い頃に感じた恐怖や不安に移行してしまうのです。癖が強い分効果的に使うのが難しいと言えるかもしれません。

和と湘南スタイル( 上野邸 8)

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庭の一角、道路際に和テイストの空間があります。私自身が坪庭に面した縁側で遊びながら育ったせいか、こういう感じに強く惹かれます。それは京都の坪庭みたいに凛とした異空間ではなくて、子供の遊び場であり、七輪で魚を焼く場所であり、そして年に何度か親父かじいさんが脚立に乗って(なぜかこの役は家長でなければいけない)木の剪定をする、そういう風景です。その様子が子供の記憶に備蓄されていって、やがてその子が風情を解する年頃になったたときに、その場所の自分にとっての重要さに気付く、そういう庭。
東京都内ではすでに消滅しつつありますが、鎌倉周辺にはまだまだこういう風情が残っていて、またそれを意識的に大事に守りまがら、その感じを味わいながら暮らしていきたいというような生活感覚があります。それがいわゆる“湘南スタイル”の中核にあるのどかさや豊かさなのだろうと思うのです。家がアメリカンスタイルで庭が南欧風になっても、どこかになつかしい日本の家族の原風景や三丁目の夕日的空気感が漂っている。こういう“昭和”な感じの豊かさを忘れたくないですね。眺めるだけの坪庭ではない、家族の生活を感じる和テイストの場所、縁側や畑とともに、今後も提案していきたいと思っている要素です。(ちなみに今回は、もともとあった場所を手を入れないでそのまま残しただけです)

湘南ロハス・ライフ( 上野邸 9)

“いい感じ”の上野さんご一家を見習って、うちもそういう感じで暮らしたいものだ、そう思っても、撮影を終えてわが家に帰り着くと妻の些細な一言が引っかかって不機嫌になり、子供には私の意志や思いがなかなか伝わらなくてため息が出て・・・、おっといけない、愚痴ってしまいました。
仕事しながら「イメージできれば出来たも同然」と言っている私です。愚痴ってないで、ここはひとつ、わが家族が上野さんちの感じに近付くための設計作業に取りかかろうと思います。これは、実際の設計作業で行き詰まったときや、仕事上の新しい試みをするときに使う方法でして、紙の真ん中にキーワードを書いて、そのまわりにキーワードから派生する言葉や色や形を書き込んでいくのです。そうしているうちに必ず何かしらの具体的な手法やアイデア出てきて、さらに続けると骨子が明確になりディテールまで鮮明になってきます。ひとりブレーンストーミングです。
で、今回のキーワードは決まっています『湘南ロハス・ライフ』。これは上野さんご一家と、皆さんが仕上げた庭から感じたことで、撮影中に浮かんだ言葉です。

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ロハスはこれからもとめられる理想のライフスタイル。あこがれや指針のように捉えている人も多いと思います。でも、私が撮影中に感じたのは現在進行形のロハスで、リアルなロハス・ライフがそこにはありました。ご夫婦とおばあちゃんと子供たち、そして老犬。みんながロハスそのもので、その心地よい磁場にしばし酔いしれたのでした。

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まずは紙の中央に『湘南ロハスライフ』と書いてっと、・・・エコ、笑顔、早起き、ウインド・サーフィン、野菜中心、エアコンの掃除、会話の時間、部屋の模様替え、ストレッチ・・・、ほーら、次々出てきます。さあて、わが家族のリフォームプランはどんな形になるでしょう。湘南ロハス・ライフが実現するでしょうか?庭のことなら自信ありですが、自分の家族のこととなると・・・、ひとりでできることではないし・・・、などと弱気になっていてもしょうがないので、いい形が見えてくるまでブレストを続けます。
このやり方、“ひとりブレスト”。やってみると不思議なほどイメージが具体的になってきます。なれてくるとけっこう楽しい“脳トレ”ですよ。あなたも新しい挑戦や、家族のことで愚痴りたくなったときに一度お試しください。「イメージできたら出来たも同然」まずはイメージすることなのです。

細かいスイッチング作戦( 上野邸 10)

上野さんちの草花です。

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梅雨入り前の気持いい風と光のなかで、庭の草花にちゃんと意識が向くゆとりを持ちながら、ご家族みなさんが健康に、ゆかいに暮らしています。前にも書きましたが、わが家のガシャガシャ感と対極にあるそのゆったりな感じがうらやましい。健康に、ゆったりと、気持良く、同じ1日ならそういう風に過ごしたいものです。

とはいってものんびりできる時間はなかなかとれないもので、忙しさの中でいかにして余裕やゆとりを保ちながら笑顔でいられるかということが課題になってきます。
昨日は家族のリフォーム設計手法についてでしたが、今日は私自身の一日のくみたて方について、今考えていることです。忙しさを余裕の笑顔で乗り切るためにはどうしたらいいのか、その課題への私の答は“細かくスイッチングする”ということです。忙しいとはいえ、冷静に一日を振り返ると、惰性で過ごしている時間やボーッとしている空白の時間がけっこうあります。それを無くすために日に何度もオンとオフ、仕事と遊びのスイッチを入れ変えるというやり方です。
実は私の祖父がそういうタイプの人で、薄暗いうちに起きてから寝るまで、いっときも止まっていないのです。仕事ばかりしているのではなくて、庭や畑に出たり、近所の人とお茶飲みをしていたり、もちろん仕事も人一倍で、誰からも「あんな働き者はいないよ」と評されていました。とにかく次々いろんなところに出没して、忍者が分身の術を使っているようだと思ったものです。そしてさらに驚くべきことに、祖父がいらついたり不機嫌な顔をしているところを見た記憶がありません。いつも穏やかな笑顔で、よく動く笠智衆みたいな感じで、そうそう、50代まで粋人を気取ったのか、時々キセルをスパスパやっていたのがある時禁煙を決意し、そのときの台詞が「忙しくてたばこ吸ってるひまがねえんだ」で、家族一同それがとても納得できたほどよく動きまわる人でした。
尊敬する今は亡きじいちゃんを見習って、“細かいスイッチング作戦”で“忙中笑有”笑顔が生まれるゆとりを生み出そうと思っています。ついでに私も禁煙をとも思うのですが・・・「アー、忙しいからたばこ吸って気分転換してスイッチ切り替えよっと」

ロハスな庭の食材植物( 上野邸 11)

写真を整理していて気付きました。上野さんちの庭は食材がいっぱいで、それが“いい感じ”の大きな要素になっている気がしました。
上から、スイートバジル、シソ、温州みかん、ブルーベリー、梅です。

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さりげなくこういう食材植物がとても健康に育っている庭、まさしく湘南ロハスな暮らしです。

屋外キッズルーム( 上野邸 12)

上野さんちの最終日です。
ウッドデッキをいちばんよろこんでくれたのは子供たちのようです。毎日帰ってくると庭で遊んでいるそうで、おもちゃやプールがそのにぎやかなシーンを伝えてくれました。こんなふうに場所ができるとストレートに、大よろこびで遊びまくってくれる、子供ってホントかわいいですねえ。

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撮影を終えた私たちもなんだか楽しくなっちゃって、庭を去りがたく、水撒きをさせてもらいました。

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今は屋外キッズルームになっているウッドデッキが、やがては夫婦の場所になっていって、それを見ながら育った子供たちがまたいい夫婦になっていく、そんな庭と家族の進化までもイメージさせてくれる、幸福感に満ちた上野さんちでした。


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