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風の歌を聴け 月を詠む
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風の歌を聴け 月を詠む

 さあ、始めましょう。

 イザナキが生んだ多くの神の中でも際立って尊い三柱が、 アマテラス、スサノオ、ツクヨミの三貴紳とされています。 アマテラスは太陽神。 スサノオは海原の神。 ツクヨミは月の神。 古事記・日本書紀、天照大御神と須佐之男尊のお話は有名ながら、 月夜見尊に関するものはほとんど出てきません。 その存在は、アマテラスとスサノオという性格相反する二人の間で、 静かに存在する調整役なのだという解釈があるそうな。 静かなる調整役、なるほどですねえ。 であれば、ツクヨミは庭の神様でもあるのです。
 今年は十五夜も、十三夜の月明かりも実に見事でした。 ツクヨミは月詠とも書きます。 月詠の命、ツクヨミノミコト。 秋の夜は、庭に腰掛け月を詠む。
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 そもそも『風の歌』って何だよ、と思われるかもしれません。そりゃあ木枯らしや台風の時はビュービューとうなる音が聞こえるが、普段風の歌どころか風のささやすら聞いたことがないよ、と。ぼくもそうです。では、風は歌わないのか。毎朝毎晩庭で過ごしていればわかること、風は常に歌っています。風に揺れる木の葉の音、風に乗って聞こえてくる遠くの汽笛やお寺の鐘、隣家のお嬢さんが奏でるバイエルとハノン、時には夫婦喧嘩の声、それが風の歌。虫の音、野鳥の囀り、音だけではなく揺らぐ木漏れ日、香るキンモクセイ、毎日東から西へと移動する光の移ろい、色の変化、それらも風が奏でる歌声なのです。風は確かに、いつも歌っています。
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 暑かった日に、寒かった日に、楽しかった日に、キツかった日の夜に庭へ出て空を見る。星、月、流れる雲。その向こうには宇宙空間が広がっているのだと、リアルにそう感じる時がある。夏の夜に吹き込んでくる風は、ああ、今オレが全身で受け止めているのは、地球の隅々までもを何周も渡ってきた空気なんだなあと、思いを馳せて雄大な気分になる。この風楽団による交響曲こそが、庭で過ごすことの最大の魅力だと思っています。
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 風の歌を聴け。命令形で失礼します。でもね、聴け、聴いてくれ、と叫びたいほど、その歌は人を自然体へと、つまりはバランの取れた幸福へと誘ってくれる。歌声に唱和している時にしか感じられない大切なこと、同時に風の歌が聞こえなくなっていた時間にしでかした、いくつもの愚かに気づかせてくれる。だから命令口調を使ってでも伝えたい、それが風の歌を聴け、なのです。
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 太古の昔、庭は人々が神と交信する神聖なる場所でした。前方後円墳の前方は屋代で、後円部分は祭事を行う裏庭を意味しているのである、という説があります。アマテラスが拗ねて引きこもった岩戸の前庭で、アメノウズメが半裸のダンスを踊り、暗闇の世に太陽神を呼び戻した庭伝説。さらに遡れば、イザナキとイザナミは庭木をぐるっと回ってから交わりを行いました。西洋ではアダムとイヴが禁断を破ったエデンの園も、園ですから、そこは果樹園を含む広大な庭でした。
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 いつから庭は神聖視されなくなったのでしょう。そういえば、縁側からのお月見も、御伽噺の中にだけ残っている行事となりました。大丈夫なんでしょうか、子や孫たちは。ぼくらが子どもの頃は、庭が自然と交信する生活空間として活かされていました。庭じゃなくても、月明かりの神々しさ、草の香り、虫の声、縁側での幸福な記憶を持っています。しかし子や孫たちは、ぼくらが庭に背を向けて暮らしているのを見て育ち、庭なんて人工芝か砂利でも敷いて草取りをしなくて済むようにしておけばいいのだ、と理解し、カーテンを閉めっぱなで暮らすのを普通のこととして育つわけです。七草粥、菖蒲湯、七夕、盆踊り、十五夜、十三夜、冬至の南瓜、どれもこれも高機密・高断熱で空調が効いた家から出ない者には馴染まない風習。四季があり、自然豊かな神話の国で行われてきた慣わしが、ぼくらの世代で途切れませんように。お爺さん、お婆さん、残り時間に継承の役目を、きっちり果たしてから去りましょうね。

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