敷地の中でどう建物が配置されるかは千差万別です。建築屋さんも極力リビングの外に庭スペースを、という配慮をしますが、様々な事情で、リビングから離れた位置に庭スペースというか「どう使っていいのかわからない」場所ができてしまうこともあります。急傾斜地や緩やかな丘が多い横浜の住宅地ではよくあることで、大概は斜面です。
今回の内山さんちは、裏手がそういう場所です。
楽しみ方はいろいろ考えられます。果樹園、バラ園、畑、思い切ってウッドデッキ、造成して平らにすれば離れのようなBBQテラスもつくれます。
でもそれ以前に、この裏手へのアクセスが良くなくて。「どう扱っていいかわからない」この場所をどう改善するかよりも、その場所に行きやすくすることが先決だと判断しました。裏手へのアクセスが先。リビングの外はこうなっていました。
裏の斜面をもっと楽しくするためには、まずはリビングを外に広げること。それは同時に、暮らしが外に広がるということです。暮らしが屋外に広がれば自ずと裏への意識も高まるし、行きやすくもなります。
というようなことを考えながらご提案したのが次の2プランです。
この2プランを元に検討していただいてできあがったリビング外のプランを明日ご覧いただきます。
リビングから離れているために、どう扱っていいかわからなくて休遊地になっているスペースがある場合、その場所自体をどうイメージするかということ以前に、そこに至る通路の整備や、部屋から外に出やすくすること。さらに、もっと手近な場所(リビングの外など)を楽しめる場所にすることで、たいがいその「困った場所」も楽しい展開になるものです。
けっこう多いんですよこの方法で解決すること。最近お客様と、立て続けに3回このお話をしました。
何かの問題を解決したい場合に、そこに至る手前に立ち返って眺めると、問題の原点、本質が見えてくる。「陸から海を見るのと海から陸を見るのとでは、まったく違った世界が見える」ということです。その問題に巻き込まれた状態で思い悩むよりも、ちょっと引いて考えれば、案外簡単に解決するのです。
わかってるんですけどねえ、ただ・・・そこに感情が入るとねえ、引いて考えることができない。感情抜きで、理屈通りにできれば人の悩みはゼロになるんですけどね。
人生はアップで見ると悲劇だが、ロングショットだとコメディーだ。
という言葉もあります。
まあ、ひとつのテクニックとして、軽やかなバックステップも身につけたいですね。所ジョージさんや高田純次さんのようなパッと引いて客観視できる技。
Plan C
ぼくもお客様も、すでに裏の斜面よりもリビングの外を楽しい場所にすることにワクワクしていました。
さらに検討を重ねてできあがった最終プランです。
Plan D
このように検討を重ねて、行きつ戻りつしながらブラッシュアップされてシンプルになっていくときは、必ずいい結果が待っています。これ実感です。
逆に、迷って迷って、だんだん混沌としていくこともあります。そういうときは途中で白紙に戻して考え直したりします。プランに厚みがあることと、混沌としていることとは違いますから。
ものすごくいろんな要素が計算され、織り込まれているのに、パッと見シンプルに見える、というのが理想です。
明日はビフォー・アフターをご覧いただきます。ビックリしますよ!
今日は晴天で、気温も真夏日になるそうです。昨日は一日雨でした。
昨日の雨、ぼくはものすごく気持ちよくて、数日降り続いてほしいと思ったほどでした。
今時期の雨はコシヒカリの苗をやさしく癒すのです。苗代(苗を育てる畑)から引っこ抜かれて、株分けされて、よく耕された泥田んぼに規則正しく植えられた苗は、多少は根が傷むし環境も変わるので、しばらくの間ジッとしています。植えてから半月ほどはまったく成長しません。そこに降るのが昨日のようなおだやかな雨。
まだ頼りないヒョロヒョロの苗が、この雨で癒されて、ある日、一気に成長を始めるのです。そうなったらもう日ごとに株が太くなり、背丈も伸びます。だからこの雨は秋の豊作を約束する「その日」の前の準備の雨、恵みの雨なのです。
これはふるさと新潟のお話しですけど、関東ではこの雨は「目覚めの雨」です。芝生です。冬の間休眠していた芝が、温かく降り注ぐこの雨で目を覚まします。
さあ、忙しくなりますよー!芝は苅れば刈るほど丈夫で美しく成長しますから、来月からははりきって芝刈りしましょう!
理想を言えば毎週、少なくても2週に1度苅れればOKです。毎朝(夕方でもいいですけど)水やって、芝ドクター(肥料)もやって、必要ならエアレーションと目土も施しながら、夏のガッチリした芝生を目指しましょう。
やさしい春の雨は、気分が上向きます。
晴れても降っても、春はウキウキしますねえ。おまけに、滝沢さんからうれしいうれしい、最高にうれしいコメントをいただきまして、天にも昇る気持ちです。感謝感謝です。
Before 1
階段を上がりましょう。
Before 2
Before 3
昨日、春の雨は芝生を目覚めさせると書きました。芝生について最近「なるほどなあ」と唸ったお客様(ご主人)の言葉です。
「芝生の状態が、私の状態なんですよ」
これは、よーくわかります。芝生マニアや、そこまでいかなくても日常的に芝生の手入れをされている方なら、この言葉、うなづきますよね。
芝生の手入れ担当はたいがいご主人です。男の人は凝り性ですから、時々ディズニーランドの芝生のように、パーフェクトに仕上げているお宅も見かけます。ウットリ見入ってしまうほど美しく健康に仕上げられた芝生は、気持ちいいものです。と同時に「よくこれだけきれいに維持できているなあ」と感心してしまいます。
一般的に芝生の庭は敬遠されがちです。手入れが大変だから。実際「芝生の庭をやめてタイルかレンガを張りたい」というご相談は、毎週お受けしています。
その面倒な手入れ(雑草取り、水やり、芝刈り、施肥、エアレーション、目土)に、セッセと励んでいるご主人方の心境が「芝生の状態が、私の状態」なのです。
和民の会長、渡邉美樹さんは著書の中で「机の上の状態が、私の心の状態です。いつもスッキリと片付いてます」と書いています。同じことですよね。
さあて、ここからがポイントです。
芝生があまりに美しい庭で、時々感じる「入り込めない感じ」というのがあるのです。
おっと、話が長くなりそうな予感。仕事が山積みなので、ここから先はまた明日ということで。
ビフォー・アフターの続きです。
デッキの上で振り返って。
Before 4
After 4
そのまま後ずさって。
Before 5
世の中には使っていないウッドデッキが山ほど存在します。もったいないです。せっかくつくったデッキが、なぜ楽しい場所として使われないのか、ウッドデッキの本来の心地よさとはどういうものなのか、今回のシリーズでそのあたりを解明していきたいと思っています。
では、昨日の続きです。
お客様の「芝生の状態が、私の状態なんですよ」という言葉に納得しました。一般的に「手入れが大変で・・・」と言われる芝生も、そう考えると日々の気持ちのコンディションを整える有意義な場所であり、手入れの時間はメディケーションなんですよね。芝生の庭があって、その手入れが日課になっている人は、自宅に瞑想室があるようなものです。自分と向き合う時間、心の波を静めて鏡のような水面に戻す時間。無心になることでインスピレーションに出くわすことも多いのではないでしょうか。
どうですか、芝生の庭も悪くないなと思いませんか。
ところがです、年に何度か、あまりにきれいすぎて「入り込めない感じ」の芝生の庭に遭遇します。芝生は美しいに越したことはないんですけど、名門ゴルフ場のグリーンみたいにパーフェクトだと、・・・入り込めません。
芝生はそこで過ごしてナンボだと思うのです。手入れは手入れで、それを楽しめばいいし、健康に育った芝生の上で、今度はご家族で思う存分楽しんでいただきあいなあと思います。バーベキューをしたり、ゴルフやサッカーの練習をしたり、お子さんが小さければ穴を掘ったり駆け回ったり。そうやって楽しんだ芝生はどうしても傷んだりデコボコになってしまうものですけど、それでいいんです。また無心で手入れをすればいい。
あまりにきれいすぎて「入り込めない感じ」の緊張感が漂う芝生を見ると「ご主人、頑張りすぎだなあ」と感じるのです。きっとご主人は家族のことを思って、理想のマイホームを目指して日々手入れにいそしんでいるのでしょう。でもその気持ちが強すぎて、というか表現が真っすぐすぎて、「もしかしたら奥さんや子供たちから煙たがられているのかもしれないなあ」などと、余計な心配も浮かんできます。男ってそういうところあるんですよねえ、力みすぎて気持ちがうまく伝わらないこと。特に年頃の娘を持ったお父さんは・・・、あ、いやなんでもないんですけどね。
まあね、手入れは手入れで楽しんで、その芝生で家族で過ごして楽しんで、楽しんで、楽しんで。それがファミリーガーデンの価値なのです。
芝生の手入れは、瞑想の時間だと思うべし。美しさよりも、楽しさの中にこそ価値があるのだと心得るべし。
さっ、世のご主人方、庭に出ましょう。雑草抜きのフォークを持って、芝生にしゃがんで、家族を思い、自分を見つめる瞑想を始めましょう。
ではその裏庭からデッキに向っていきましょう。
デッキに上がった時に、フワッと風が吹いて、レースのカーテンが膨らみました、「ウ〜ンさわやか」。
振り返ると、心地よい風は裏庭の方からでした。
裏庭からの風、これぞ「そよ風の誘惑」。デッキで感じる心地よさが、今まであまり行くことのなかった裏庭への誘いにもなるのです。
デッキに出るとそこは光と風を感じられる外の部屋。
庭も日常生活のエリアなんだということ、それに気づくと、暮らしの楽しさ、心地よさが倍増しますよ。レースのカーテン閉めっぱなしで過ごしているあなた、ちょっと、そんな視点で、リビングの外をイメージしてみてください。
まず考えるべきは、レースのカーテンを開けっ放しで暮らせるようにすること。それが実現できれば、リビングは快適になり、庭は暮らしの場所になります。
空が黒い雲で覆われて、空気が急激に冷たくなってきました。予報通り午後は雷雨になりそうです。
こういう天気の急変って、ときめくんだなあー。子どもっぽいですかね、こういうの。あっ、降ってきた降って来た!さっ、雨音を聴きながら設計に熱中します。
ではいつものパターンで、内山さんちのご紹介を再開します。
ウッドデッキをただの大きな縁台ではなく、心地よい「外の部屋」として成立させている要素がふたつあります。
ひとつは木工フェンスで、もうひとつは昼寝ができるサイズの腰掛け、シエスタベンチです。
この正面のフェンスは、目隠しと同時に「部屋っぽくする」効果も出しています。このフェンスが仮想の壁のように、デッキ上の空間を構成して、部屋にいるような居心地の良さを演出しているのです。もし、目隠しに必要な目の高さだけに板を張ったとしたら、ね、部屋っぽさは出ませんよね。これが空間構成。
もう一ヶ所、デッキに出て右側、駐車場側には低めの目隠しフェンスを設置してあります。
外から見るとこうです。
目隠しが必要だといって、むやみに囲ってしまったら、閉鎖的になってしまいますからね。
こちら側の目隠しフェンスは板を表裏から張り合わせにして、道路からはまったく透けないのに風は通るようにつくりました。
この2面の木工フェンスの他に、このデッキを快適な場所にしているのがシエスタベンチです。
昼寝ができるベンチ、シエスタベンチ、今ではデッキやテラスを設計するときの定番になっています。
そうそう、色もいいでしょ。ベンチと柱が焦げ茶で、他は明るめの茶色。内山さんご夫婦が迷いに迷って決めた色です。大正解でした。写真ではわかりませんけど、リビングのインテリアとも調和している配色なのです。
庭も暮らしの場所。この配色でリビングとデッキがいい具合に融けあいました。
薔薇の季節が終わると梅雨がやってきます。今年はどんな梅雨になるんでしょうねえ。しとしと降り続けるのか、熱帯型でカッと晴れたり豪雨になったりするのか。雨には雨の情緒もあるし、梅雨もまた楽しみです。梅雨は情緒とときめきの季節。ときめきますよ、何たってその後に夏が待っているわけですから。
今日は梅雨前のさわやかな晴天です。楽しみましょう!
先日、他のお客様から「泡盛でつくっても美味いですよ」と教えていただきました。ジューンベリー、これから最も人気が出る木です。
続いて、シマトネリコ。ダイニングの小窓の前に植えました。
お隣りさんの庭との軽い目隠しと、デッキからの眺めと、あと室内から、窓の外の景色としていつも緑が見えたらいいなあということで、この位置にしました。
今日も気持ちのいい天気ですねえ。こういう日は現場に出て職人さんと一緒に作業に熱中したいところですけど、相変わらず設計業務が山のように積み上がっていて、一日中机に向って集中しています。
楽しい仕事なので何日でもそうやっていられるんですが、困ったことに、身体が動きたがってウズウズしてくるのです。運動不足なんですよねこれって。ああ動きたい!
明日は早起きして軽く走ろうかなあ。
少々寂しい状態になってしまったこのヤシも、梅雨が明けるまでこうしてデッキに出しっぱなしにしておけば元気になります。大丈夫、まだ根っこが元気で、もう新芽が伸びてきましたから。
植物が元気に育つ環境は、人間にもいい環境のはず。炭坑のカナリヤみたいなもんで、室内に植物を置いておくと、そのことをチェックできますよ。
移動中にちょっと時間が空くと書店に立ち寄ります。するとギッシリ並んだ背表紙のある1冊が光り輝いて、ぼくを手招きすることがあります。あるでしょそういうことって、「買ってチョー!」と言っている本との遭遇。
今日輝いていた本が武田双雲さんの「ひらく言葉(河出書房新社)」でした。
この本は双雲さんが日々書き貯めた言葉を本にしたものだそうです。
佐島の北原さんちで双雲さんにお会いしたとき、ぼくは聞きました、「ブログを拝見していると次々グッと来る言葉が出てきますけど、もしかして毎日、一日中言葉を探しているんですか?」。双雲さんの答えはこうでした。
普通に暮らしていて、言葉があふれてくるんですよ。これは才能かもしれない。そしてそれを誰かに伝えたくてしょうがない。ぼくが言葉を伝えることで、世の中が良くなっていけば最高ですよ。
この本「ひらく言葉」は、そんな双雲さんの思いがつまった一冊です。
さっそくパラパラとめくると、やっぱり!です。グッとくる言葉が次々と。そのいくつかをご紹介しましょう。
心をひらく。
自分をひらく。
瞬間をひらく。
ひらくが手をつないで、
未来をひらいていく。
あきらめる。
すてる。
やめる。
どれも立派な挑戦だ。
どんな状況からでも、
未来だけは希望に変えられる。
迷ったら、
よりかっこいいと思えるほうを選ぶ。
そしてかっこいいと思える心構えで臨む。
わかってくれる人にだけ伝わればいい
なんて絶対思わない。
もう能書きはいいから
必死になってやってみようか。
高いところにいけなくとも、
上向きにはなれる。
誰でも、どんな状況においても。
ワクワクという言葉を考えた人はすごい。
言うだけでワクワクしてくる。
他人と比較しない人は強い。
他人と比較しても明るく笑っていられる人は、もっと強い。
苦しみに耐え抜く。
ではなく、
何としても楽しみに換えるという意志。
横に攻めるのではなく、上に伸びるんだ。
どうせ夢を描くのであれば、
こうなりたいと思うより、
そうなったらどうするか。
をイメージしたほうがよいと思う。
「がんばろう」と思うより、
子供の頃のように
いつのまにか夢中になるほうがいい。
バランスをとろうとしすぎて溺れてた。
群れない。
ひとりで生き抜く覚悟があってこそ、
真のコラボレーションが実現するんだ。
気を抜くとすべてが義務になってくる。
こちらから、追いかけるようにやるんだ。
優しく柔らかく、
すぐに断じない。
「優柔不断」
うん、いい言葉だ。
自分を愛さないということは、全世界を否定するということ。
どんなことが起きても、どんな理由があっても、
自分への愛だけは死守しなければならない。
宇宙規模で話し合おう。
分子レベルで想像しよう。
大きなことにクヨクヨしよう。
いいなあ!実にいいなあ!
読んでいると、双雲さんの言葉に自分が共鳴して、自分がひらいていくのがわかります。
武田双雲「ひらく言葉」、おすすめです。
撮影一週間後にご来店くださった内山さんの奥様は「主人がね、どうせ撮るならもう少し後にしてもらえば薔薇がきれいだったのになあって、少し残念そうでした」とおっしゃっていました。ほんとにねえ、薔薇の季節はあっという間です。だからいいのかもしれませんけどね。
デッキ脇のアーチに絡んでいるアンジェラも、咲きはじめで、
薔薇はいいなあ。ゴージャスな幸福感に浸れます。
ゴージャスと言えば、今日は武道館に行きます。加山雄三デビュー50周年記念コンサートです。
数日前からワクワクドキドキして、コンサートが終わったら数日寝込んでしまうんじゃないかと思うほどアドレナリンが出まくっています。ときめくってこういうことを言うんですねえ。
「永遠の若大将」を全身で感じてきます。
庭は人を映します
明るい人の庭は明るい
寂しい人の庭は寂しい
くよくよしている人の庭はくよくよしている
乱暴な人の庭は乱暴
元気な人の庭は元気
楽しい人の庭は楽しい
そういうものです
「ウッドデッキの気持ちよさ」って、気の風合いと風じゃないですかね。他にもいろいろあるでしょうけど、この日撮影しながら感じたのはこのふたつ。
ご主人にデッキの感想をお聞きしたら、まさにこの2点を喜んでくださっていました。
「この場所にいい風が吹くということに気がつきました」
実際、この日とても心地いい風が流れていて、床下からもそれが吹き上がってくるのを感じました。そう、これですよ、デッキならではの気持ちよさ。床からも風が吹いて、全身で風を感じることができます。身体中で風を感じながらお茶したり、本を読んだり、そして何と言っても昼寝ですよね。きっとアトムが充電するように、リチャージできると思います。
「レッドシダーの気の風合いが良かった。アイアンウッドや人工木(樹脂)にしなくて良かったですよ」
でっしょう!素材それぞれの特性はありますけど、ぼくもレッドシダーの柔らかくて温かみのある質感が、やっぱり一番好きです。
レッドシダーのウッドデッキの寿命は、手入れをしながら15年と言われています。場所の条件が良ければ20年、湿気が強い場所だと10年、平均で15年。その15年間を存分に楽しめれば、充分に価値があるんじゃないでしょうか。優しい木の風合いを感じながら、心地いい風を感じながら暮らす15年間。ペンキ塗りや傷んできた箇所の補修も、デッキの気持ちよさを感じながら暮らしていれば、さほど苦にならない作業ですよ。それどころか、手入れを重ねるほどに、デッキに愛着がわいてくるものです。いいでしょう、自宅の、お気に入りの場所に愛着が増してゆくなんて。豊かだなあ、そういう暮らし方。
工事が完了して庭に出るようになってから、よそのお宅の草花に目がいくようになりました。
撮影があと一週間後だったら、薔薇が最高なのになあ。アンジェラは今年で3年目。急にたくさん花がつくようになりました。
思い切って冬の間に工事をして大正解でした。春から楽しめてほんとによかったです。
毎週のように花を買って帰るようになりました。
食事室の窓の外のシマトネリコがよかった。たった一本の木で部屋の雰囲気がこんなに変わるということに、感心しました。
朝起きてウッドデッキに出ると気持ちよくて、朝が楽しくなりました。
このリビングの外の通路に2m×3mのウッドデッキをつくることが今回のガーデンリフォームでした。大成功でした。
昨日ご紹介したご夫婦の感想で「朝が楽しみになった」という言葉、うれしかったなあ。朝起きて、いきなり楽しい気分になれる庭はまちがいなくいい庭です。起き抜けに庭に出る。朝の光と冷えた空気で身体が目覚める。室内にも新鮮な空気が流れ込む。さらに、庭で朝食ができれば、その日一日が素晴らしい日になることは約束されたようなものですよね。
ウッドデッキでも、芝生の庭でも、住む人がその庭によって暮しが上がっていく感じが得られるかどうか、それが庭の価値になります。
打ち合わせの段階から、内山さんご夫婦から「暮しを組み立てることへの意欲」を感じました。若いのに偉いなあと、ちょっとまぶしいような心地よさをエネルギーにして設計したのがこのデッキでした。
「暮しを組み立てることへの意欲」、見習いたいことです。
内山さん、楽しい仕事をさせていただいてありがとうございました。賢く前向きなおふたりが、花いっぱい、笑顔いっぱいの暮しを組み立てていく様を、これからも遠くから時々覗き見させていただきます。後藤さんちのオープンガーデン、来年も行きましょうね。
撮影中にフワッと吹いた風、
庭がよくなると、暮しがよくなります。幸せな家族が、もっと幸せになります。
この「もっと」がポイント。
「幸せになりたい」と、「もっと幸せになりたい」とでは、その本質は真逆です。
夫婦、親子、家族にはいろんなことが起こりますけど、いつも立ち位置を「もっと」に置いておきたいですね。
これからも「もっと」な人たちとの出会いを重ねながら、「幸せ家族をもっと幸せにする魔法の庭」を提案していきますよ
どれもこれも、うれしいうれしい感想でした。