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バーベキュー炉-曽田邸m(横浜市 緑区)
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バーベキュー炉-曽田邸m(横浜市 緑区)

細長い通路のようだった庭がバーベキューテラスになりました。これでいつでも楽しめます。
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着火! 炉の縁はテーブル代わりにも使えます。
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<いわふちのブログから>

 

プランの押し売り状態でした( 曽田邸 1)

まずビフォーをご覧ください。

建物の道路側に、ブロックで仕切った花壇があります。

P1100296

そこを進んでいって、

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角を曲がると、

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そこが庭です。

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生け垣のレッドロビンが茂って、「生け垣と通路」という構成になっています。

P1100309

反対側からはこうです。

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道路側の通路と庭、どちらもあまり広いとはいえない場所です。
さあ、ここにどんな庭をイメージするか。設計に当たってスペース的な問題の他に、もうひとつ大きな課題がありました。それは、曽田さんちのリビングが2階にあるということです。この庭は1階の使っていない部屋(客間かな)の外。さあて、ここが考えどころなのです。

ご夫婦のご要望は、「縁側のようなウッドデッキがあって、手すりに布団を干せたらいいかなあ・・・」という感じです。ぼくとしては、せっかくの庭スペースですし、どうせ設計するなら思いっきり楽しくなるような提案がしたいという気持ちがありますので、「2階がリビングですから普段あまりここには来ないかもしれませんが、プランだけでも思いっきり楽しめる庭を描いてみていいですかね。一応それをご覧になってみて、もし楽しめそうだなって思ったら検討してみてください」と半ばプランの押し売り状態。

その時点で考えていたことはこうです。
この庭はリビングと離れてはいるものの、すごく気持ちがいい。宅地が上がっているので空が広いし、少し歩くと海が見下ろせるという、とてもいい空気感の場所。ここを楽しまない手はないなと。
暮しのメインステージから離れている庭を「暮しに欠かせない場所」にするための方法はただひとつ、そこにリビングと同等の価値、くつろぎや楽しさを生み出すことです。それも徹底的にやりきることです。中途半端に庭らしくしてみても、結局は日常に大した喜びを生み出さない場所になってしまいます。世の中にそういう庭の何と多いことか。

そんな思いで描いた2プランです。

Plan A
曽田様邸 APlan B
曽田様邸 B

これをご覧いただいたとき、ご主人の瞳に少年のような輝きが見えました。そして奥様の笑顔。もうすっかり、最初のご要望は遠い過去の出来事にようになり、この2プランをもとに、ご夫婦で、楽しく夢いっぱいの検討会議が始まりました。
そして道路側は Plan A 、庭は Plan B でという組み合わせで変更設計することになりました。
明日はその Plan C をご覧いただきます。

ご要望とは違うプランの押し売り状態ではありましたが、今回のように「イメージするだけでも・・・」と言いながら要望とは違う提案をすることがあります。
そうするときには、ぼくにはその方がいいなという予感があるのです。立地とか、お客様の家族構成とか、雰囲気とか。そして大概その予感は的中して、「よかったー!」となるのです。

ワクワクしてきました( 曽田邸 2)

昨日ご覧いただいた2プランをもとに、ご夫婦の検討会議が行われて、道路側は Plan A 、庭は Plan B でということになりました。そしてさらに細部を検討してでき上がったのが次の Plan C です。

Plan C-1
曽田様邸 C-1

木製パネルや石材などの色をどうするかを迷われていたので、同じ構成で違う色にしたプランを添えました。

PlanC-2
曽田様邸 C-2

C-1はベージュにグリーンをさし色に、C-2はピンクを基調にしていて、それぞれにアットホームで楽しい配色だと思います。あとはおふたりがイメージする「庭のある暮し」の風景にふさわしい方を選ぶだけ。ご主人は剣道の有段者で指導者です。とても大きなその体格とのギャップが面白いんですが、ピンクが好きなのだそうです。その日も薄ピンクのポロシャツを着ていました。
ご夫婦は Plan C-2 を選択。そしておふたりとも笑顔いっぱいで、すでに、まだ見ぬその庭でのシーンをあれこれイメージしていることが伝わってきました。

さあ、楽しくなってきました。ぼく自身この展開にワクワクです。

曽田様邸 C-2-2曽田様邸 C-2-1

打ち合わせが進むにつれて、お客様の中に浮かび上がる庭のシルエットが明確になっていき、それがカラーになって、ついにはそこで過ごしているときに感じるであろう風や光、そして会話まで聞こえてくるようになる。こういう展開なら、必ずその庭は最高の場所になるのです。明日はビフォー・アフターをご覧いただきます。

2分割をやめて2層にする( 曽田邸 3)

では、ビフォー・アフターです。ゆっくりと歩いていく感じで入念に撮ってあります。

Before 1
ビフォー1After 1
アフター1

Before 2
ビフォー2

After 2
アフター2

Before 3
ビフォー3

After 3
アフター3

ビフォーとアフターでは広さが違うように感じると思います。アフターの方がはるかに広いガーデニングエリアになっています。これは考え方を変えたことによって得られた効果です。
ビフォーでは道路側に花壇があって、建物側が通路という細長い敷地をさらに細長く2分割した構成です。アフターではその細長さが消えています。
敷地全部が花壇(植える場所)で、その中を左右に揺れながら歩いていくという、2分割ではなく、植える場所に導線を重ねた2重の仕立てになっていますから、花壇の面積は2倍になり、歩くのも広々ゆったりとなった、というわけです。それと、通路が真っすぐではないということで足下に意識がいきますから、そこを足早に通り過ぎるのではなく、ゆっくりと庭を楽しむ、そこにしばし留まるというような滞留感が生まれています。

オォ、またもや理屈っぽい言い方になってしまいました。設計しながらこういう理屈を山ほど積み重ねて、それをこねくり回したり組み立てたりしているものですから、ついつい。
でもまあ、パッと見てウソみたいに広くなった感じがすると思います。こういうことができるんだということ、このパッと広くなる様子を感じ取っていただければ、もしかしたらこれまで庭として認識していなかった建物の脇の通路に、ワクワクするような庭空間を生み出すことができるかもしれません。そうなったらいいなって思います。
「あんな狭い場所は通路以外に考えられない」と鼻から思い込まないで、今回のように「2分割ではなく2重にする」 という方法でイメージしてみてください。場の使い方を重ねることによって、不可能が可能になる・・・かもしれませんので。

ビフォー・アフター、明日に続きます。

大昔からの工夫( 曽田邸 4)

ゆっくりと、先に進んでいきます。

Before 4
ビフォー4After 4
アフター4

Before 5
ビフォー5

After 5
アフター5

「どうしたら庭をゆっくりと歩かせることができるか」ということを庭師が考え始めたのは、たぶん室町時代辺りからだと思われます。自然のままの山野や河原を歩くと、とても歩き辛い。それを解消してスタスタと安全に歩くために石を敷いた通路が造園でいう延べ団です。自然に秩序を与えて人にとって便利な環境にするということです。

ところが庭文化が成熟していくに連れて「自然(宇宙)を感じるための場所」という役割を庭に込めるようになっていきました。
するとこんどは、自然の山野がそうであるように「いかにして歩き辛くするか」と考えるようになっていって、わざとつまずきそうになるような飛び石の配置とか、よっぽど気をつけて歩かないと足を滑らせる丸みを帯びた石を使ったり、京町家のアプローチのように歩きやすいフラットで直線的な通路なら、石の組み合わせで模様を描いて意識を引きつけたり。そういう工夫を積み重ねてきたのです。
そうすることで庭に入った人をできるだけそこに留まらせて、そこで何かを感じさせたいと考えたんですね。人の心に何かを与える、気持ちをつかまえて揺さぶることが庭の価値であると。

飛び石が右足、左足、右足、左足とリズムよく歩けるようになっていたら、足下を見ながらスタスタ歩きます。そうやって進んでいって、分かれ道に置いている大きめの石が右足で、次の一歩も右、そこでリズムが途切れますから、その大きめの石で立ち止まります。これが踏み分け石です。
そこで立ち止まって顔を上げると、その庭の見せ場があるのです。パーッと視界が開けて、目の前に広がる池の水面に借景の山が映っているとか、そういう仕掛け。そういうのに出くわすと、たまらなくうれしい。ワクワクするんです。江戸時代にその石を配置した庭師の意図が、今もそこを歩く人にまんまと作用していることの素晴らしさに、感動します。

Before 6
ビフォー6After 6
アフター6

というわけで、曽田さんちの家の脇の「通路」を「庭」にするために、真っすぐに歩けないように、足下を見ながらゆっくりと進むように石を配置しました。明日はテラスに入っていきます。

「やりきった感」があります( 曽田邸 5)

ガーデニングエリアからバーベキューテラスへ進みます。

Before 7
ビフォー7After 7
アフター7

見違えるでしょ。

Before 8
ビフォー8

After 8
アフター8

もともとは生け垣が茂っていたのでこうでした。

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木を取り除くと、出幅は1メートル80センチ。そのスペースでできる最大限のことを、図面上であれこれシュミレーションしてでき上がったテラスです。

Before 9
ビフォー10After 9
アフター10

Before 10
ビフォー11

After 10
アフター11

奥まで行って振り返ります。

Before 11
ビフォー12After 11
アフター12

Before 12
ビフォー13

After 12
アフター13

あまり広いとはいえない庭スペースに、素敵なテラスが出現したでしょ。
ぼくとしては「よくやった、よくやった」っていう感じ、やりきった感がありました。

思いっきり楽しくイメージする( 曽田邸 6)

庭の入り口から順に奥まで歩いて、庭の全体像をイメージしていただきます。

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ガーデニングエリアで花や野菜を育てて、バーベキューテラスで昼寝や読書やティータイムや食事を楽しむ日常。
このふたつのゾーンの組み合わせが、ファミリーガーデンの考え方としての理想型です。もう一度、ビフォーをご覧ください。

ビフォー3

 

P1100304
庭が「暮しを幸せに演出する場所」に変身しました。庭をそういう場所としてイメージし、提案してくれる建築会社、設計者は、残念ながらかなり少ない。出会える確率はきっと宝くじに当たるようなものです。建築雑誌に登場する著名な建築家であっても、庭を建物を引き立てるためのスペースとか、室内からの眺めとして扱うに留まって、その庭が幸せな暮しのステージになるという概念を持ち合わせている人にはなかなか出会えないのです。多くの建築家の庭への姿勢は、ぼくから見ると「庭はそこそこでいいんじゃないかな」っていうようなニュアンスです。
ではどうしたらいいか、といいますと、あなた自身が庭をそのように捉えることです。そしてその思いを、粘り強く、丁寧に、作り手に伝えることです。それか、ぼくにご依頼いただくこと。

庭がある暮らしを思いっきり楽しいものとしてイメージしましょう。それは庭だけではなく、人生を思いっきり楽しくイメージすることなのです。
あなたの人生、そこそこ楽しい、じゃ残念ですよね。

自然石と枕木の組み合わせ( 曽田邸 7)

ガーデニングエリアの構成を解説します。庭入り口の左右にコニファー(右がスカイロケット、左がエレガンテシマ)が植わっています。これは門構えのような意味があって、空間として「ここからが庭ですよ」と示す役割があります。
そして入ってすぐに立水栓と石張りの作業スペース。水場の前にこのようにちょっとした広場があると、ホースの扱いや洗い物をするのに便利です。

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水場の先は枕木の通路です。自然石の乱張りから枕木になって、また自然石に。このように素材に変化を付けることで場面を変えて、庭の細長い感じを消すのが狙いでした。
枕木はいい感じの存在感があるので、このようなときに使うことがあります。
ただし、注意点がふたつ。ひとつは本物の枕木を使うことです。見た目が枕木でも、園芸用に生産されている柔らかい木のものだと腐食が早くて、1〜2年でガサガサに腐ってしまいます。そしてもうひとつは、むやみに素材を増やさないということです。
素材に変化を持たせることはいろいろと有効な方法なのですが、そうかといって、やたらに何種類もの素材を使うと荒れた雰囲気になりますので、今回のように石と枕木とか、あるいはレンガとタイルとか、2つの素材、多くても3つにとどめたいものです。

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あくまでも「狙い」があっての素材の組み合わせです。基本はひとつの素材、石なら石、レンガならレンガだけでアプローチをつないでいくのがいいでしょう。何事もシンプルなほど失敗は少ないのです。 

少しずらして組み合わせる( 曽田邸 8)

枕木通路の中間にアーチを設置してあります。

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アーチは空間を厚くしつつ「どうぞお入りください」と招き入れる役を果たします。そのアーチとセットで、フェンス沿いにアイアンのトレリスを取り付けました。

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トレリスと通路を挟んだ反対側には木製物置。

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アーチとトレリスと物置、この3つで、ガーデニングエリアの中ほどに、ひとつのスペースができ上がっています。

昨日の「通路の素材を変えることで場を変える」というのは平面的な構成で、今日の3つのアイテムは立体的な構成での場の作り方です。
この平面でつくった世界と立体の区分けでできあがった世界を、少しずらして組み合わせる。そうすると、変化しつつ統一感がある庭になるのです。
・・・また理屈っぽくなってますね。う〜ん。ホワイトボードで図解説明すると「オォそうか!」と大きくうなづいていただけることなんですけどね。
まあとにかく、こういうことを考え考え設計しているわけです。

明日はまたもや理屈っぽい、「アイストップ」ということを。 

アイストップ( 曽田邸 9)

昨日、一昨日と、細長い通路を庭スペースとして有効に仕立てるためのテクニックを解説してきました。
通路の素材の変化によって平面的なエリアの区分けをする。アーチや物置で立体的な空間構成をする。そしてふたつを少しずらして組み合わせる。
今日はもうひとつ、「アイストップ」ということについてです。「アイストップ」とは、目を止める、視線がぶつかるということ。それによって得られる効果は、その視線がぶつかるところまでの手前にある空間を認識するということと、そこに意識が当たることで、心地よく次の空間へと移行できるということです。
・・・ほーら、昨日の予告通りに理屈っぽいですよね。でもこの「アイストップ」という概念を理解すると、庭づくりがひとつレベルアップしますよ。庭だけじゃない、室内のインテリアにも欠かせないテクニックですから、ちょっと粘り強くがんばって吸収していただけると、居住空間がワンランク上質なものに変化するかもしれません。

ガーデニングエリアの突き当たりに立てた木製パネルが、この庭のアイストップです。

DSC_0050

このパネルがなかったら・・・とイメージしてみましょう。このパネルがなかったら・・・。

このパネルがなかったら・・・。

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間が抜けますよね。パネルがあることで、空間的にそこまでが庭であるという認識が生まれているということ、感じていただけたでしょうか。
それと、そこに意識が当たることで、左側へと折れて続く次の庭へと、スムースに歩いていける感じが得られているのです。
その効果「次へのいざない」はテラス側からも同じです。

このパネルがなかったら・・・。

このパネルがなかったら・・・。

このパネルがなかったら・・・。

DSC_0051
これがないと、ガーデニングエリアはテラスとは離れた全く別の場所になってしまいます。目が当たることでその手前の空間を認識し、そこから折れてつながる次の世界へと進むための弾みを付ける。これが「アイストップ」です。空間のメリハリですね。

ガーデニングエリアの解説、明日に続きます。

照明器具追加要請( 曽田邸 10)

設計ではガーデニングエリアの照明は、木製パネルに取り付けたこの1灯でした。

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施工途中でご主人から「もう1灯どこかに取り付けたい」というお話しをいただいて、それならここ!と追加でアーチにぶら下げました。

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照明器具追加のご要望の意味が、でき上がってからわかりました。
曽田さんちの周辺は、夜になるとご近所の玄関灯に加え、あちらこちらにイルミネーションが輝いてとてもいい感じです。そんな住宅地にあって、道路に面した庭のライトが1灯だけだと、少し寂しい感じがするのです。

設計時、ぼくはそこまで思い至りませんでした。2灯の明りで、夜は、ジャジャーン!こうなります!

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グッと来ました。

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ご主人の追加要請は大正解。たった1個ライトが増えただけで、この庭がいい感じの住宅地にとけ込みつつ、街並のそのいい感じをさらに引き上げることになったと思います。いやあ、いい経験をさせていただきました。
夜景はまた後日ジックリと。

明日からバーベキューテラスの解説です。

3つの効果( 曽田邸 11)

バーベキューテラスです。出幅1メートル80センチの庭スペースを最大限有効に使うために、テラス全体を部屋の床近くまで持ち上げて、階段でテラスに上がるようにしてあります。

 

DSC_0052 

この考え方で、3つの効果を生み出せます。

  1. 庭に出やすくなる
  2. スペースを広く使える
  3. 部屋と外との一体感が出る

 

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一般的には部屋から出る位置に階段を設けて、狭めの庭をさらに狭くしてしまっていることが多い。
ビフォーをご覧ください。 

P1100304 

細長い庭の建物側はコンクリートの階段、外側は生け垣で、残ったのは人が通れる幅の通路だけ。
それが、地面を持ち上げることで、こうなるのです。

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1の「庭に出やすくなる」ということと、2の「スペースを広く使える」が実感できたと思います。

 

明日は室内からの眺めをご覧いただいて、3つの効果の3、「室内と外との一体感」を感じていただきます。

3つの効果、その3( 曽田邸 12)

3つの効果の3、「室内と外との一体感」ということについてです。 

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ここで質問。あなたにとって庭は、「暮らしのエリア」に含まれていますか?

もしかして「暮らしの外にある場所」になっていないでしょうか。
暮らしが、玄関から入って、リビングやキッチンや寝室、室内だけになっているというお宅が大半かもしれません。
庭はあるけど、そこは時々がんばって雑草を抜いて、花を植えて、まあみっともなくない程度に維持できていれば良いか、というような場所になっているとしたら、ぼくとしてはもったいないなあ、残念だなあって思うのです。

庭があることで、暮らしが幸福方向へと開けていくような、庭があなたとご家族にとって欠かすことのできない、魅力的な場所として機能しているという、庭をそういう場所にしていただきたい。そういう場所としてイメージしていただきたいなあ。
そういう家が増えていったら、大げさではなく「日本のGNH(国民総幸福量)」は飛躍的に上がると思っています。っと、ミクロな視点で思いっきりマクロな世界観を語ってしまいましたが、これマジです。

日本のGNHを上げるための手っ取り早い考え方が、庭の地面を持ち上げて床面に近づけるということなのです。

ご覧の通りで、室内から地続きで庭があることで、部屋(暮らしのエリア)は庭へと広がります。暮らしの場所に「屋根のない、風や光や地球の大気を感じられるエリア」が加わります。
すごいことだと思いませんか。庭を持ち上げる、たったそれだけで。

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「暮らしの外」にあった庭が「暮らしの場所」に転換されると、家が広くなります。宅地の面積は変わらなくても「暮らしの面積」が広がりますから。
そしてその広がったスペースは、室内では味わうことができない「特上の外の部屋」にすることができるのです。明日から、持ち上げた庭スペースを、その「特上の外の部屋」にするためにどんな構成をしたのかを解説していきます。

「庭を持ち上げることで得られる効果」

  1. 庭に出やすくなる
  2. スペースを広く使える
  3. 部屋と外との一体感が出る
あなたの庭に当てはめてみてください。

魔法の高さ( 曽田邸 13)

庭の地面を持ち上た庭スペースを曽田さんご夫婦の「最上の場所」にするために、いくつかの要素を組み立てました。その前に、この庭はリビングと離れています。2階がリビングで、この庭に面した部屋は客間のような書斎のような、フリースペースなのです。これが大問題、というかどんな庭に仕立てていくかを考える上での大事なポイントだったのです。
前にも書いた通りで、リビングと離れている庭は、そこに行く目的をハッキリさせるとともに、そうとうに楽しく、ワクワクするようなシーンを思い起こすような仕立てが必要なのです。そうじゃないと、せっかくコストをかけて庭らしくしても、そこに行かないまま、庭を楽しむことのないままの暮らしになってしまうからです。
2階から下りてきてでも、そこに行きたい、そこで過ごしたいという庭。
曽田さんご夫婦にとってどんな庭がそういう「トキメク庭」なのかを、打ち合わせをしながら引き出していった結果、やはりバーベキュー。そして昼寝、読書、洗濯物をたたむなど、そういう日常的なことが庭を使ってできたら、気分良いだろうなあ。そんなイメージでした。

そういう「過ごす」ということの大前提として「目隠し」が必要です。
周囲に視線が気になる窓は少なく、宅地が坂道の途中にあるため、庭は道路から上がっています。ですからいつもやるような背の高い目隠しはいりませんが、それでもある程度のものがないと落ち着きかないので、背の低いタイプ(H 1100)の目隠しパネルを設置しました。

 

DSC_0053
パネルの設置を、椅子に腰掛けたときにちょうど目が当たる高さにしました。床面から1メートル20センチ。
これが開放感をなくさずに落ち着いて過ごせる「魔法の高さ」なのです。これより10センチ高くても、低くても、その魔法は消えてしまいます。
もしお手元にメジャーがあったら1メートル20センチを計って、そこまでパネルがあるというようにイメージしてみてください。そして次に10センチ低かったらどういう感じか、10センチ高かったらどうなるのか。1メートル20センチ、どっかにメモしておくと何かの役に立つかもしれません。 

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もうひとつ、設計していて気にしている高さがあります。それは1メートル50センチ。

この高さが持つ意味とは。
これは庭や玄関アプローチ、あるいは室内を歩くときに、それ以上の高さがある植物や構築物は空間をつくり出し、それ以下のものは平面に配置されているという認識になる、ということなのです。
「そんなこと何の役に立つんだ!」と言われそうですけど、面白いと思いませんか、物の高さでその存在感や空間への影響が変わるっていうようなこと。
例えばリビングに観葉植物を置く場合に、その背丈が1メートル50センチ以下だと、「鉢植えが床に置いてある」ように感じて、それよりも背が高いと「観葉植物があるリビング」となります。

いいぞいいぞ、今日も庭のことを理屈っぽく語れる自分。調子がいい証拠なのです。

ヨ・ロ・シ・ク( 曽田邸 14)

次はバーベキュー炉です。 

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毎度おなじみのヤキスギレンガの囲炉裏。ご主人はでき上がっている製品を持ってきて設置するのだと思っていたそうで、施工中にレンガを一個ずつ積んでいく作業に驚かれたそうです。こんなふうに、作り付けなくても、キャンプ用のバーベキューセットもあるし・・・と、みなさま迷うところではあります。でも今回は、あった方がいいんです!場の持つ機能とシーンがハッキリするからです。
これも「2階から下りてきたくなる」ためのポイントだと考えて、強めにお勧めしました(ご主人のクルマにはキャンプ用品が積んでありましたし、バーベキュー好きだとお聞きしていました)。

設計では囲炉裏の外周の直径は1メートルでした。いつもその大きさで施工しています。
それを積む作業中に、職人さんから電話が入りました。もう10年近くぼくの仕事をやってくれているカズくんから。「曽田さんちの囲炉裏を設計通りに作ると、タイル部分が狭くなって椅子を置くのに窮屈になる気がするんだけど」という内容でした。
その瞬間「よし!」と思い、ニヤッとしました。施工に当たる職人さんが、こういう細かいところに意識が行っているときは、その現場は必ずいい仕上りになるからです。

施工段階で実際に現地でもそのことが気になった、ということは、職人さんも、その場所でお客様が囲炉裏を囲んでいるシーンをイメージしながら作業しているということです。ただ設計図に忠実に施工するだけの職人さんなら(ぼくのようなわがままな設計をカタチにするんですから、それだけでも大したことなんですが)、あの電話はかかってこなかった。カズくんが、ぼくと同じく、お客様が喜んでくださる顔を思い浮かべながら仕事をしてくれていることの証しがあの電話でした。

椅子が置きにくくなる懸念は設計段階でも気になっていたことで、入念に椅子の寸法と囲炉裏の配置を考えてはありました。ですから設計通りに作っても問題なしなはず・・・と思いながらも、心配になってきました。カズくんが言うんだから、もしかしたら・・・。
すぐに現場に行きたいところでしたが、ぼくはそのとき「レノンの庭」でお客様の相談予約が入っていて店を離れられません。
電話でのやり取りが始まりました。

「狭いって、どのくらい狭くなるの?」

「椅子を置けないこともないんだけど、ちょっと狭いかなあって感じです」

「 えーっとねえ、囲炉裏からサッシまでの寸法はいくつになるかな?」

「ちょっと計りますね。・・・85センチです」

「えっ!90センチじゃなくて!?」

「うん、85センチですよ。サッシの枠が5センチ飛び出してるからかなあ」

「それだ!・・・そうだなあ、うっかりしてたなあ。そこに気がつかなかった。・・・どうだろう、85センチだと狭い感じ?」

「ちょっとねえ・・・微妙ですけどね」

「・・・囲炉裏の直径を小さくしたらどうだろうか。使い辛くなるかな?」

「使い辛くはならないけど、四角いレンガで円形にするんだから、あんまり径が小さいとかっこ悪くなりますよ」

「だよねえ。95センチだとどうだろう、カッコよく積めるかな?」

「・・・まあ、・・・オレの腕なら」

「・・・じゃ、ヨ・ロ・シ・ク」

というやり取りで、設計よりも囲炉裏の直径を5センチ小さくすることで、問題解決しました。

 

DSC_0098
さすがの出来映えでした。カズくんは福島出身。甲子園球児になることを夢見ながらも、家の事情やら何やらで、弟のシュンくんと共に横浜で土木建築業をやっている叔父さんのところに職人修行に入りました。そして15年。今や我が施工チームの大黒柱です。

図面を描くことはできても、それを、同じ熱を持って、同じ思いを持って施工してくれる職人さんたちがいなければ、ぼくが提案する庭はひとつも実現しません。
カズくんをはじめ、寒い日も暑い日も、ややこしい設計でも、丹念に、熱心に施工してくれるうちの職人さんたちに、心から感謝です。

昼寝のすすめ( 曽田邸 15)

持ち上げた庭スペースを「特上の外の部屋」にするために、魔法の高さの目隠し、バーベキュー炉と解説してきました。今日は「シエスタベンチ」です。ただのベンチじゃなくて、昼寝ができる寸法のベンチを、「過ごす庭」をプランするときには、可能な限り設計に入れています。

 

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数年前、お客様にアンケートしたことがあって、その結果、ご主人方が庭でやりたいことはバーベキューと昼寝でした。
バーベキューはわかるとして、庭で昼寝?と、意外に思う方もいらしゃるかもしれませんが、考えたら海外の庭ではハンモックがつきものですからね。世界中の人が庭での昼寝を楽しんでいるということです。

庭で昼寝、というよりも、昼寝すること自体、今の日本では珍しいことですよね。でも、昭和の時代には、日本人は昼寝をしていました。ぼくが小さい頃は、昼食が終わると子どもはもちろん、家族も近所の大人たちもみんなお昼寝タイムで、町中がシーンとしていたような記憶があります。よく大人が言っていました「親が死んでも食休み」と。

昼寝。
毎日終電近くまで仕事をがんばっているご主人方に、休日くらいは庭で昼寝していただきたいなあって思うのです。

昼寝。
ご主人だけじゃない、奥様も。美容と健康に、昼寝はいいのです。今でも昼寝の習慣がある地方に行くと、おばあちゃんたちが元気で笑い皺が美しいですからね。美容と健康には昼寝なのです。

庭に寝っ転がって見上げる空。

 

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まぶしくて眼を細めているうちにウトウトと夢の世界に。そしてパッと目覚めた瞬間に、外の空気と光で充電されたように、体中にフレッシュなエネルギーが満ちている状態になります。そして、自分が宇宙の中にいることに気がつくのです。人は視線を向けた方向に世界を見いだします。そしてそっちへ向かって進みます。これはウインドサーフィンをやると気がつくことです。水面に立って風を受けて、視線を向けた方向にボードが進んでいきます。不安定な足下に視線をやっている限り、うまく乗ることはできません。
だから、身体を横たえて空を見上げていると、空、宇宙へと世界観が広がって「アァ、おれは宇宙空間の中の惑星地球号に乗っているんだなあ」って。小さなことにクヨクヨしたり、実はどうでもいいようなことに思い煩ったり、起こりもしないことを不安に思ったり、そういうことから解放されるのです。伸びやかではつらつとした宇宙の中の自分に戻れるのです。そう、子どものころのあなたに。

昼寝。
会社でも人生でも、目標を設定したらそこに向かって水平に突き進む。失敗したり、疲れてくると、うつむいてとぼとぼと歩く。水平、時々下。
休日に、ゴロッと身体を横たえて空を見上げることで、バランスが保たれる気がします。
水平、時々下、一時空。

昼寝。
昼寝ができない庭なんて、クリープを入れないコーヒーみたいなものです。

マリーンライトを2灯( 曽田邸 16)

持ち上げた庭スペースを「特上の外の部屋」にするために、魔法の高さの目隠し、バーベキュー炉、シエスタベンチと解説してきました。最後は「マリーンライト」です。

この広さだと2灯の明りでいい感じで過ごせます。

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ライトを取り付ける柱を木製パネルよりも高くしているのは、光の具合のためと、もうひとつ、テラス全体に場の厚みを持たせるためでもあります。ライトを取り付けたこの柱の高さまでの空間を、「居場所」として認識する効果が生まれるのです。 

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もし、この柱がなかったら・・・・。イメージしてみましょう、もし、この柱がなかったら・・・。

ね、全然違った空間になりますよね。柱2本でそこに居心地のよさが生まれる。
楽しいんです、こういうこと。些細なことなんですけどね。

この2灯のライトと部屋からの明りで、夜はこうなります。

DSC_0150 

持ち上げた庭スペースを「特上の外の部屋」にするために、4つのことを解説してきました。

  1. 魔法の高さの目隠し
  2. バーベキュー炉
  3. シエスタベンチ
  4. マリーンライト
それぞれは「ほんの些細なこと」です。庭に関する「些細なこと」が、ぼくの引き出しにはぎっしりとつまっていて、そのどれを取り出してどう組み立てるかによって、いろんな空間、さまざまな庭が生まれます。と言いつつ、身内からはけっこういつも似たような・・・ワンパターンだという声も・・・。
例えばライト。もう何年もマリーンライト一辺倒です。
いいんです!いいものはいい!ので、何度でも同じものを使います。
これはワンパターンなのではなくて「スタイル」なのです。

お客様に喜んでいただける「ワンパターン」を繰り返すうちに、それが「スタイル」になる。
来年もひたすらに、ただひたすらに、バッカみたいにひたすらに、似たような庭を生み出し続けます。

コニファー3種類( 曽田邸 17)

ガーデニングエリア、バーベキューテラスと解説してきました。
今日は樹木をご覧いただきます。まずはコニファーから。庭の入り口の左右にコニファーを2種類植えました。

 

エレガンテシマ
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これから寒さが増すと葉が茶色に変色しますが、枯れ葉になるわけではありません。冷気に驚くような感じでいったん光合成がストップするだけで、2月の後半のポカポカした陽射しを浴びると、すぐに復活します。
冬場に茶色くなる分、春の新芽は輝くばかりにきれいです。エレガンテシマは春が見所。 

スカイロケット
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数あるコニファー類の中で、最もスリムでとんがった形の木です。
この形状のままで成長します。3メートルくらいになると、その名の通りに、空身向かって打ち上げられるロケットのようです。 

ブルーエンジェル
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庭の一番奥に、お隣さんの玄関の目隠しもかねて植えました。最初のエレガンテシマが冬茶色くなって、春の芽吹きが美しい木であるのに対して、このブルーエンジェルは一年中、寒くても熱くてもこの色のままです。青白いまま。
この青白さが、庭に独特の雰囲気を醸し出してくれます。

ブルーエンジェルと似た木でブルーへブンというのがあります。写真のような2メートル以内のものだとほとんど見分けがつきませんが、もう少し大きくなると、樹形ははっきりと違ってきます。
ブルーエンジェルは枝付きが細かくて、背が高くなっても細くきれいに整ったシルエットですが、ブルーへブンの方は、枝が太くなっていって、枝振りも荒っぽく、樹形は横にふくらんできます。
広い公園でブルーエンジェルが雄大に育っているというのも見物ですが、狭めの庭や、接近して見る位置に植えるときにはブルーエンジェルの方が向いていますので、購入時には、エンジェルなのかへブンなのかをよく確認した方がいいでしょう。

コニファー類はほとんど手入れがいらず、丈夫で虫もつきにくく枯れ葉も少ないため、とても人気があります。
生産も簡単らしくて、以前は珍しかった樹種でも、いったん出回り始めるとすぐにポピュラーな扱いになって、ホームセンターで安価に手に入れることができるようになります。おすすめです。

おすすめです、が、ゴールドクレストだけは避けた方がいいです。あれだけは特別。葉枯れしやすく、成長が早い割に根が張らないために、みるみる大きくなって、台風でバタッと倒れるというパターンです。
ゴールドクレスト以外なら大丈夫。

ソテツ、ドラセナ、レモン、ジューンベリー( 曽田邸 18)

コニファー以外の樹木です。

ソテツ
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エアコン室外機の手前に植えました。東京で暮らしていた頃はソテツというとお金持ちのイメージがありました。玄関先にソテツがあると「格が上がる」ような感じ。それが横浜に来ると、印象が一変しました。ソテツは湘南のイメージなのです。
横須賀、葉山、鎌倉、茅ヶ崎と、やたらめったらソテツが植わっています。いい感じです。湘南の穏やかに光る午後の波を背景に、逆光の中で潮風に揺れるソテツの葉。
毎年芯が伸びて、新しい葉がググッ、パーッと出てくるのが楽しみな木です。

ドラセナ
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これも、ソテツと同じく湘南ではおなじみです。湘南っぽさ、リゾート感、夏休みな感じ、とりあえずビールが飲みたくなる・・・。とても雰囲気を作ってくれる木です。冬越しは逗子・葉山なら問題なしですが、横浜内陸部の霜柱が立つ地域ではコモを巻いて養生してやる必要があります。ほんのいっときなんですけどね。2月の後半にはもう大丈夫ですので、養生を解いて思いっきり光を浴びさせてください。

レモン
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柑橘類の中でダントツ人気です。 

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このくらいの木だとまだまだ未成熟で、実数は数えるほどですが、あと3年もすると食べきれないほどのレモンがぶら下がります。
庭に花が少なくなる冬に、柑橘類の実は庭を明るくしてくれます。

ジューンベリー
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葉がついてないと、ごらんの通りで一体何の木かわからない、ほとんど存在感を感じない木ですが、冬来たりなば春遠からじです。
春にはこんなに美しく花が咲きます。 

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そして実を収穫したら、お楽しみのこれ!
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ジューンベリー酒を作りましょう。
氷砂糖と実とホワイトリカーを1:1:4で、半年ほどするといい色、いい味になります。1年もの、2年ものはさらに味わい深いです。
ホワイトリカーじゃなく酢を使うと、ジューンベリーサワー。これも美味い!ジューンベリーは、これから最も人気が出る木です。あなたの庭にも植えてみませんか。
ぼくは、この木が植わっている庭をみつけると、「楽しんでるんだろうなあ」って、とっても幸せな感じがするのです。

「言い切る」1( 曽田邸 19)

曽田さんちの草花をごらんいただきながら、今日は「言い切る」ということについて書きます。 

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ご主人と話していたら「私は水道の水が大好きなんですよ!」とおっしゃるんです。小さいころから剣道をやっていて、喉が渇くと学校の水道の蛇口にかぶりつくようにして水を飲んでいて、その結果今のような健康体になっているのだから、水道の水こそが身体にいいんだと、ニコニコしながら力強く言い切りました。あの鉄っぽい味がたまらないと。

すってきだなあ。実に男らしい!

 

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この「言いきり」は、身体の健康以上に心が健康な証しなんですよね。ぼくは「水道の水が大好きなんですよ!」と言い切る人に、生まれて初めて出会いました。

健康にいい、と確信すれば、大概のものは健康にいいのです。そう確信できる伸びやかでおおらかな精神こそが、健康体をつくる。そんなふうに言い切る人は、確実に長生きします。「水道水は身体にいい!」。水だけではなくて、たとえそれが百害あって一利無しのタバコであってもそうなのです。

 

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小さい頃に近所の米屋おじいさんが「エコー(タバコの銘柄)は身体にいいんだよ」と言いながらいつもスパーッスパーッと煙をくゆらせていました。
そのおじいさんは働 き者で、人柄もよかったのでしょう。ぼくの記憶では周囲の人たちの尊敬を集めていて、何でもそのおじいさんに聞くといい答えを導き出してくれるような、近所の相談役のような人でした。幼いぼくは、身体にいいエコーを吸えば、きっとこういう立派な年寄りになれるんだと思っていました。

そのおじいさん、100近くまで生きました。身体にいいタバコを楽しみながら、楽しく元気に働き続けて。
病気は気の病、元気は気の元。気が充実している人にとっては酒は百薬の長だし、タバコだって身体にいいんです。

 

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ご主人の「水道の水を飲みながら育ってこんなに健康なんだから、水道水が身体にいいんだ!」とさわやかに言い切れる健康さ。いやあみごとです。

 

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ちなみにわが家では、「クリクラの水」を飲んでいますが。

クリクラの水は最高!クリックラーのみーずーが身体にいいんです!

明日も引き続き「言い切る」についてです。

 

「言い切る」2( 曽田邸 20)

曽田さんちの草花をごらんいただきながら、きのうの続きです。先日、信用金庫の若い営業マンが遊びにきました。
彼は融資が仕事なので「遊びに」ってのもおかしなことなんですけど、うちは資金繰りに窮する状態でもないのによくやって来ては、世間話に花を咲かせて帰っていくのでぼくは「遊びに」と言っています。帰るときにもいつも「また遊びに来てね」って。

 

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彼は仕事柄、いろんな会社や商店主と話しをします。そして大概の経営者は「景気が悪くてねえ」とか「なかなか思うようには売れないよ」と、商売が思わしくないという言葉から話し始めるそうです。
ところがうちは違う。「絶好調だよ!」から始まるから楽しいんだそうです。それで遊びにやってくる。「『金は貸しても借りち ゃいけない』が家訓だから、うちに来ても仕事にならないよ」と言っているのに、ニコニコしながら「また来ちゃいましたー」って。楽しい男なのです。

 

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ぼくは言いました。「景気が悪いって言ってる人にお金を貸してるうちは成績が上がらないんじゃないの?絶好調で商売している人ほどたくさん借りるんじゃないかなあ」って。彼はニコッとして「その通りです」って。
やっぱりねえ。

 

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うちが絶好調なのはハッタリや空元気じゃなくて、ほんとに絶好調だから絶好調って言ってるだけなんですが、仮に調子が悪くても、何となく「調子が悪くってね」とは言いたくない気がします。
それは「調子が悪い」ということを言葉にすると、ほんとに突然調子が悪くなるような気がするからです。

ハードスケジュールが続いて疲れがたまっているときに、「もうだめだ」とつぶやいたとたんに寒気がしてきて熱が出る、という経験、あるでしょ。あれですよ。

 

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その融資営業マンの彼は、最近仕事が面白くなってきたんだそうです。以前は土日にやる趣味のサッカーが生きがいで、週末が待ち遠しい日々だったそうなんですが、このごろは営業成績で社内で負けたくないという気持ちが出てきたと言います。彼は仕事が楽しくてしかたがないという表情で言いました「いつか一番になりたい!ぼくは負けず嫌いなんですよ!」と。
出た!言い切り!
彼に予言しました。「その言い切りがいいんだよ。一番になりたい!ぼくは負けず嫌いなんです!っていう言い切り。お客様のところに行ったらその言い切りでどんどん話しな。必ず営業成績トップになるよ」って。

 

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彼の表情が一段と明るくなりました。そして「また遊びにきまーす」と言って帰って行きました。

 

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たぶん、ぼくの予言は当たります。

この話、明日に続きます。

「言い切る」3( 曽田邸 21)

北原照久さんは「言い切り」の人です。先日もラジオで「年を取って記憶力がよくなった」って言い切っていました。そう言葉に出せばほんとに記憶力は良くなるのだと言います。 

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言葉にすること。
願望を声に出すということが持つ不思議なチカラを、北原さんは繰り返し説いています。「言霊」ということを。

「景気が悪い」と口に出すとします。その言葉を最初に聞くのはそれをしゃべった本人なのです。会う人会う人に「景気が悪くてねえ」って言っていたら、そう言っている本人は繰り返し繰り返し「景気が悪い」を聞いていますので、やがてその言葉に魂が宿って、その人は景気から見放される。そしてほんとに不景気な暮らしになるのです。
逆に昨日の営業マンのように「いつか一番になりたいんです!ぼくは負けず嫌いなんです!」と言いまくっていたら、いつのまにか周囲に彼を応援する人が集まってきて、彼の言葉もまた現実のことになる。
ひとはそのひとが発する言葉通りの人生を歩むのです。

 

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うなづけるでしょ、これ。愚痴ばっかり言っていると・・・。
言葉に魂が宿る、言霊。

 

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だったら、願望を言い切ってしまわない手はないのです。キッパリと言い切れば、それを繰り返せば、夢実現は加速します。

 

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曽田さんのご主人の「私は水道の水が大好きなんですよ!」と言う言葉に感じたかっこよさから、いつのまにやらずいぶんと脱線しましたが、さわやかに「言い切り」ができることが幸せを手にする人の共通点なんだよなあて、そんな気がしています。

 

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「水道水は身体にいい!」と言い切ったご主人、いい感じの衝撃波でした。素敵だったなあ。

とびきり美味しいお茶( 曽田邸 22)

撮影途中で、奥様がお茶を入れてくださいました。

 

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一口飲んで「うまい!」と。ちょっと驚くほどの美味しさ。
そうでした。奥様は静岡出身なのでした。ぼくの実家はいろんな商売をしていて、そのひとつがお茶の小売りなのです。
幼少時の記憶です。
静岡からやってくるお茶の問屋さんが、大きなカバンからいくつかのお茶のサンプルを差し出します。それを祖父が味見をするのです。一品ごとに丁寧に入れて味わう。そして気に入った銘柄を仕入れます。
祖父の隣りにちょこんと座ったぼくも、その味見の儀式に参加していました。さすがに意見を言うことはありませんでしたが、祖父がどのお茶を選ぶのかに興味津々。クイズ番組のようなものです。

味見の儀式では、そのお茶の特性を見極めるために、ぬるめの湯で、じっくりと、しっかりと出します。それは一般的には濃すぎるお茶。その方がお茶の味や香りや渋みを、的確に判別できるのです。
奥様が入れてくださった本場仕込みのお茶を一口すすった瞬間に、その儀式の時の濃いお茶、もう40年以上前の味の記憶がよみがえったのでした。「うまい!」と。

撮影を中断して、ご夫婦とひとしきりお茶飲み話になりました。

 

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冬なのにポカポカと暖かい陽射しの中で、設計から完成まで、何度もイメージしていたその場所の居心地の良さを実感するひとときでした。いろんなことがうまくいきました。オッケーです!

ちょっと鉄の味がする水道水が好物のご主人。
本場仕込みのとびきり美味しいお茶を入れる奥様。
柔らかく暖かい陽射し。
磯子の海から聴こえる汽笛。
おふたりに庭の出来映えをほめていただいて、誉れな気持ちで、冬の午後のティータイムを楽しみました。

いやあ、いい時間でした。

夜景1( 曽田邸 23)

夕暮れから順に、すっかり暗くなるまでの夜の庭をごらんいただきます。
今日は日没直後のガーデニングエリアです。 

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美しいでしょう!ファインダーを覗きながらウットリする時間帯。
しかしウットリしてばかりもいられません。ここから刻々と光が変化していくからです。頭の右側でウットリしながら、左側で露出を計算するという、カメラマンにとっての至福の時が訪れました。
パシャッとやって、絞りとシャッタースピードを変えてまたパシャッとやて、三脚持って移動して、またパシャッパシャッと。

ん!ちょっとした興奮状態で撮影しながら、唐突に、妙な思いがわき上がってきたのです。
曽田さんご夫婦との出会いが「あらかじめ用意されていたこと」のような、出会うべくして出会ったような、そういう不思議な感覚です。
ぼくはその感覚に引っかかってみようと思いました。よくあることなんですね、ちょっとひらめいたこととか思い浮かんだ些細なことから、予想もしなかったような展開になること。だからそれに引っかかってみようと。
そう思ったものの、今は撮影が佳境なのでキーワードを手帳に書いて、帰宅後ゆっくりと、先ほどわき上がってきた思いを掘り下げることにしました。

以下、帰宅後。

 

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この出会いがなかったら、この庭はなかったわけで、ぼくのこの充足感もなかったわけで、この気持ちいい撮影もなかったわけで、それと、きっとこれから、この庭を楽しんでくれるであろうご夫婦の時間もなかったわけで・・・。でもそんなことは考えられないのです。
「この庭はこの世 に生まれてくる運命だった」としか思えないほど、でき上がってみるとそんな必然性みたいな何かを感じました。
最初の無茶振りとも思えるぼくの提案から始まって、工事に当たったカズくんの熱意や、出来上がりを楽しみに、毎日写真を撮っていたというご主人のワクワク感や。そういったことが相まってできあがった庭。

 

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これなんですよ、目指しているところ。偶然の出会いでありながら、後々考えれば考えるほど、運命によって出会うべくして出会ったとしか思えない出会い。そういう出会いによって生まれるべくして生まれた庭。

 

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そういう気持ちが強いせいもあって、なんとなんとグレースランドには営業職がいません。売り上げを伸ばそうと懸命に売り込むということがないのです。世の中的にはあり得ないことですよね。
事業的にそれでいいのかと言われると、ちょっとどうなのかわかりませんけど。もしかしたらもっと積極的にアピールして、売り込んで、出会いを、喜んでいただける人の数を増やしていくことを目指すべきなのかもしれないと、そう思うこともありますが。

 

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でもまあ、いいんじゃないかなあこれで。
うちはうちらしく、出会うべくして出会ったお客様と、喜びを共有しながら。

そういう仕事を積み重ねていきます。

というわけで、うちには営業がいないので「売り込み」をしません。いくら待っていても「買ってください!」と言いませんので、皆様は遠慮せずに、どんどん「買い込み」をしてください。
皆様の積極性抜きには、うちとの出会いは永遠に訪れないのです。

(グレースランドは、わがままな店なのです)

撮影中にふとわき上がった思いに引っかかって、帰宅後に掘り下げた結果が「うちはわがままな店なのです」じゃ、ちょっとねえ・・・。
この話、明日に持ち越して、もう少しいい結論に持っていきます。

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昨日書いた「出会うべくして出会った」という感覚。だれでも、そういう出会いの繰り返し、積み重ねで現在の自分が形成されているといえます。 

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我が半生を振りかえるとまさにそうで、ぼくは「出会い」によって育てられ、そして生き延びてきたのです。

 

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けっこうハチャメチャな青年期をおくる中で、父親にこう言われたことがありました。「おまえは不思議だなあ。それだけわがままに好き勝手やって、普通だったら世間様にこてんぱんに叩きのめされるはずなんだが、ピンチになると必ず誰かが出てきて助けられる。おまえは運がいいなあ」と。

 

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ほんとにそうでした。
性分でしょうか、周囲の友人たちが真っすぐに伸びたレールに乗っかろうと頑張っている中、ぼくだけ人と違う、長く曲がりくねった道を選んで歩いてきました。しかも肩を怒らせて。
そういう生き方をしていると世の常で、当然のごとく途中いくつもの危機に遭遇します。自業自得ではありますが、そうやって痛い眼に遭わないと物事の道理を理解しないというような、簡単に理解してたまるか!みたいな頑固さ、偏屈さ。それが我が個性だったのです。
「決して自分から丸くなってはいけない。そうやって理想を捨てたり夢をなくしてしまったら、世の中を転がりやすくなるかもしれないが、形はいびつになってしまう。ぼくは楕円形の自分など許せないのだ!摩擦を恐れず、痛みをこらえて、ぶつかってぶつかって、そうやって自然に角が取れていけばやがて美しい球体になれる。ぼくは一生をかけて、地球のような球体になりたいのだ!」って、そんなイメージでした(・・・めんどくさい人ですよね)。

繰り返される危機。さすがにもうダメか・・・と思うことも何度かあって、そこで必ず奇跡のような新たな出会いがあるのです。そしてその出会いによって次が開けてきました。友人だったり、師匠と呼べる人だったり、妻との出会いもそうでした。それとそうそう、本との出会いも。
振りかえると、それらの出会いすべてに「出会うべくして出会った」というような感慨があります。

出会いによって救われ、導かれてきた半生。
父親の言う通り、ぼくは出会いに関してはむちゃくちゃ強運なのです。

 

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そんなぼくなので、年末のラジオで聴こえてきた北原さんの言葉、心にしみました。

道に迷ったから、たくさんいい人に出会えた。

いい言葉ですよねえ。

 

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出会うことの不思議さありがたさを、歳を重ねるほど強く感じるようになって、同時に出会うことの楽しみもふくらんできました。

さあて、この先どんな出会いが用意されているのか、ワクワクします。 いい出会いを待ちながら、まだまだ道に迷いながら歩き続けますよ。

どうです!昨日よりも数段いい結論にたどり着けたでしょ。めでたしめでたし。

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引き続き夜の庭をご覧いただきながら、この仕事で、ぼくが曽田さんご夫婦から学んだあるコツのことを書きとめておこうと思います。 

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コツ 。何のコツかというと「幸せを生み出すコツ」です。
すごいでしょ「幸せを生み出すコツ」。そんなコツがあるなら誰でも知りたいですよね。
知りたいですか?
・・・ですよね。じゃ、いきますよ。

 

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幸せを生み出すコツとは、

シンプルに、美しく暮らす。

曽田さんちの室内はとてもシンプルです。シンプルで美しい。といってもモデルハウスのようなディスプレイ的な感じではなく、生活感もありつつシンプルで美しいのです。
物が少ないというか、片付け上手というか、いつもスッキリとしています。

これって、できそうでいてなかなかねえ。「物を増やさない」とか「使わないものは出しておかない」と、これまで何万回そう思ったことか。しかし、気がつくと・・・。

 

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あなたは「えっ!それが『幸せを生み出すコツ』なの???」と思ったかもしれません。「いらないものを捨てて、片付けて、花でも飾れば幸せを生み出せるってこと?」って。

そうなんです!たったそれだけのことなんです。嘘だと思ったら試してみてください。いらないものを捨てて、片付けて、花を飾って、徹底的にシンプルで美しい暮らしを実践してみてください。

 

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曽田さんご夫婦を見ていて感じた、この「シンプルに美しく暮らすことが、幸せを生み出すコツ」ということ。ぼくがなぜそう確信したのかを、明日書きます。

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きのうの続きです。

曽田さんちは、みごとにシンプルで美しい暮らしを実現しています。と同時に、ご夫婦おふたりの人柄もシンプルで美しい。

そういうふうに暮らしているご夫婦、その暮らし通りの人柄のご夫婦に、ぼくはこれまで何度も出会ってきました。このブログで庭を紹介させていただいたお宅のご夫婦、それ以外でも、シンプルに、美しく暮らすというのが、うちのお客樣方の典型的なスタイルなのです。
そしてその方々は、例外なく幸せを生み出す能力に長けていました。

 

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だからです。だからぼくは自信を持って言えるのです。

幸せを生み出すコツは、シンプルに、美しく暮らすこと。

昨日、嘘だと思ったらやってみてください!と書きました。ほんとにやってみてください。嘘だと思わなくても、やってみてください。ビックリしますよ!あっという間に効果は現れます。

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引っ越しのときに、捨てるものの多さにあきれた経験ありますよね。ぼくは「これじゃまるで、いらないものを買い集めるために稼いでいるようなもんだ」と、何度もそう思いました。

それと、片付ける習慣。
食事をしたら、一気に洗いものを済ませて食器棚に入れる。たったこれだけのことがなかなか習慣化されない自分がいます。
着なくなって久しい衣類がタンスの奥に溜まっていたり、物質だけではない、いつか観ようと思って録画してある番組が溜まりに溜まって、録画容量が限界になっています。

 

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捨てちゃいましょう!
時々発作的に捨てたくなるのです。妻もそうです(あ、いや、妻を捨てたくなるという意味ではなくて、妻もぼく同様、時々発作的に物を処分するということです)。手当り次第に捨てる。捨てようか取っとこうかと迷ったものは捨てると決めて。
そうすると、部屋はスッキリ、気分もスッキリします。そして立て続けにいいことが起こり始めます。これもきっと、だれでも経験していることなんじゃないでしょうか。身の回りや自分自身の気持ちがスッキリしている時に、いいことが起こる、幸運に恵まれるということ。

 

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だったら、話しは簡単で、常に身の回りをスッキリとしておけばいいんです。そうすれば、良いこと、幸運が常態化して、新たな幸せを生み出し続けるような暮らしが手に入るということ。単純なことなのです。

幸せを生み出すコツは、シンプルに、美しく暮らすこと。

納得しましたね。
じゃ、さっそく始めましょう!これがまた大事なことで、いいと思ったらすぐにやるのがコツ。
いいと思ったらすぐにやる。感じたらすぐに行動。

感じたら動くことから感動は生まれるのです。

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薄暮から時間を追っ てご覧いただいてきた夜の庭。辺りはすっかり夕闇になりました。 

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ここからなんですね「夜の庭」は。
夕飯後に雨戸のシャッターを下ろしてしまうと、翌朝までの10時間、あなたの生活から庭の存在が消えてしまうのです。1年で3650時間。日数換算すると152日分にもなります。
365日のうちの152日間、家庭から庭が消えて家だけになると思うと、ね、もったいないでしょ。
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夜の庭の魅力は過ごしてみたらわかります。もうそれなしではいられなくなります。
夕食は庭でとか、風呂上がりに夕涼みとか、就寝前にキャンドル灯して一杯とか。夜中に目が覚めたら庭に出て「ラジオ深夜便」を小さく流しながら本を読むのが楽しみになっている、というお客様もいらっしゃいました。
夜風、星空、家々の明り。周囲が闇なので、その庭が宇宙に浮かんでいるかのような錯覚をおぼえたりします。 

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庭を休日の昼間だけの場所として捉えるのは、人生の楽しみの何パーセントかを放棄してしまっているようなものです。夜の住宅地を歩いていていつも感じる「せっかく庭があるのに夜は真っ暗で、もったいないなあ」という気持ち。シャッターが閉まったリビングを発見すると「息苦しくないのかなあ」と思う、そのおせっかいな気持ち。
一軒一軒ピンポンして「夜の庭は最高なんですよ」と、声をかけたくなるのです。

突然始まった「火入れ式」( 曽田邸 28)

夜の撮影が終わって三脚をたたんでクルマに積み込んでいたら、ご主人がテラスに出てきて何やらやり始めました。
「ちょっと火をつけてみようと思って」と、少年が火遊びをするようなワクワク顔。
バーベキュー炉の火入れ式です。 

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大人になっても火遊びは楽しい!そこへ、奥様がすかさず食材を持ってこられて、火入れ式は初バーベキューになりました。

 

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乗りのいいご夫婦です。 

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もちろんぼくも、一瞬の躊躇も1ミリの遠慮もなく参加。ごちそうになりました。 

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美味すぎです! 

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庭の完成を大喜びしてくださったおふたりと、ずっと昔からの親友のように、食べて、しゃべって、笑って。上空に輝く国際宇宙ステーションを眺めながら、炭火が燃え尽きるまで楽しい時間は続いたのでした。またまた実感した「夜の庭」の心地よさ、「過ごす庭」の幸福感。
やっぱりそうです。日本中の庭がこうなればいいんです。

幸せの灯り( 曽田邸 29)

夜の部の撮影を終えて、バーベキューを楽しませていただいて、普段ならそのまま帰路につくのですが、曽田さんちの周辺の家々のイルミネーションがあまりにいい感じだったので、カメラを片手に、近所をぐるっと一周散歩しました。

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見物客が押し寄せるというようなハデハデではなく、それぞれの家の幸福感が灯火になったかのような、何とも幸せ〜な気持ちになる街並。

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何か大きなチカラによって組み立てられたプログラムに従って、その大きなチカラに選ばれた人たち、「幸せな家族」がその場所に呼び寄せられてでき上がったような、そんな街です。

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それぞれの家から、イルミネーションの光とともに発せられる良質な波動は、夕闇で共鳴していました。

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そして、街並の外れまで歩いて行くと、眼下に磯子の海の夜景が広がっていました。この景色もまたプログラミングされているのでしょう。

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散歩を終えて戻ってきたら、曽田さんちが「幸せな街並」の一部としてとけ込みつつ、その存在が、周囲をいっそう幸せな雰囲気にしていることを感じました。
これが、幸せな波動の共鳴なのです。

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幸せな家族が集まって、幸せな街になる。
幸せな街には、幸せな家族が集まる。
幸せな街に集まった幸せな家族の幸福感が共鳴を起こして、街ごと、もっともっと幸せになっていく。

その大きなチカラが仕組んだプログラムに参加できた。これが今回の仕事でした。

最初は押し売り状態だったぼくのプランに、トキメキを感じてくださったおふたりに、心から感謝です。
これからもこの庭を舞台にした、超ハッピーなドラマが展開していくことを、心から願っています。


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