田村さんちのブライダルベール以外の草花をご覧いただきながら、昨日の続きです。
一日中、流れる雲や花を眺めて空想の世界をただよっているような、周囲から見たらただボーッとしているような自分の性質を、コンプレックスから「何となくいいかも」と思い出したのは20代の終わりごろでした。そうしたら日常が俄然楽しくなってきたんですね。
振り返るとその辺りからぼくは人間らしくなった気がします。それ以前はカタチは人間ですが中身はクワガタみたいな(不気味でしょう)、まあそういうもんですよね若いってことは。
コンプレックスかあ・・・。あなたのコンプレックスは何ですか?ありますよねひとつやふたつ。
実はコンプレックスと自己肯定観は裏表一体なんですよ、これほんと。コンプレックスだと思っていることをパラッと裏返せれば、そこに自分の自分らしさや得意分野があるのです。つまりコンプレックスの裏側に幸福の入り口がある、ということ。
・・・そんなこと言われたって、どうしたらいいのかわからないですよね。もう少し我慢してくださいね、ちゃんといい結論を用意してますから。
例えばパナソニックの創業者・松下幸之助さんは、学歴がなかったから勉強して、お金がなかったから一生懸命に働いて、身体が弱かったから従業員を大切にして、それで松下電器ができあがったというのは有名な話です。学歴がないこと、貧乏なこと、身体が病弱なこと、すべてコンプレックスですよね、普通は人生がうまくいかないことの理由や言い訳にしてしまうことばかりです。
松下幸之助さんはなぜそれらをいい方向に活用できたのでしょうか?精神力、根性、天性の才能・・・、伝記を読むとそういうことになるんですが、ぼくはもっと単純なことのような気がしています。それは「自分が好きだった」ということです。もの静かな風貌なのであまりそういう風には語られていませんけど、経営の神様・松下幸之助は自分大好き人間だった。自分大好きな関西人。
コンプレックスがいくつあろうと、それ込みで自分が好きですから、だからコンプレックスから目を背けることがなくて、それどころか(それ込みで自分が好きなわけですから)コンプレックスは自分の個性・特性、魅力とすら思っていた。名著「商人心得帳」なんかを読むと、そういう感じが伝わって来ます。きっと当たっています。
自分が好きなら自分の抱えるコンプレックスから目を背けることもないし、それを隠そうともししません。これね、ぼくも含めて関東の人って苦手なんですよね。でもそう言っててもしょうがないので、もし「自分の◯◯が◯◯だからうまくいかないんだ」と思っている関東人の方は、ちょっとトライしてみましょうよ、その◯◯が何なのかを紙に書くんです。
言葉で書くとその◯◯が何なのかがはっきりします。たいがい◯◯から半分目を逸らせたまんまで文句だけ言っているもんですからね。その実態がつかめれば、案外たいしたことではないという場合もあるし、正体がつかめれば対処方法はいつくも浮かんでくるはずですから。
自分大好き人間はコンプレックスを利点に変える。そうなるための第一歩はコンプレックスと向き合ってその正体を暴き出すことです。
いやあ、何だかテレフォン人生相談の加藤諦三みたいになってしまいました(笑)。
出っこみ引っこみ丸抱えで自分を認めること、それが自分を好きになるということですよね。そうすると何が起こるかというと、他人のことも好きになるんです。自分を好きになると人も好きになる。するとどうなるか、おもしろい人、すばらしい人が次々目の前に現れ始めます。出会いが積み重なっていって、人生がどんどん楽しくなっていくんですよね。出会いの連続で人生がつくられていく感じが49歳の今まで続いています。
この話題を、ブライダルベールの花から延々引っ張ったのにはふたつの理由がありました。
ひとつは子育て中の皆様へのメッセージ。
お子さんがものすごく内気でも、何をやるにも超マイペースでも、それがその子の個性だというふうに認めて、子どもたちの自己肯定観を育ててあげてくださいね。「ダメ!」と「早く!」は極力封印して(ついついこればっかり言ってしまいますよね)。子どもなんですから、大人の思い通りにいくはずがないんです。聞き分けがよくて親がストレスを感じたことがない、そういう子どもがいたらかえって心配なくらいですよ。大丈夫です、放っといてもちゃんと大人になって、あなたを叱るようになりますから。
そしてもうひとつは「庭」のことです。それはまたあした。